丸岡城=2014年12月、福井県坂井市丸岡町霞町1丁目(日本空撮マルチコプターで福井新聞社撮影)

 福井県坂井市の丸岡城天守の国宝化を目指し学術調査を進めている丸岡城調査研究委員会は29日、本年度までの調査結果を発表した。使用されている木材の放射性炭素年代測定により、築城記録が残る16世紀後半を含む時期に伐採された資材が使われていることが判明した。国宝化に重要な天守の建築年代を特定する直接的なデータではないが、同委員会は「16世紀後半に建てられた可能性が見えてきたことは大きな成果」としている。

 昨年度からの2年間で、天守の床下に保管されていた古材など18点の試料で放射性炭素年代を測定した。そのうち測定の精度が高くなる、樹皮に近い「辺材」が多く残る3カ所から1576〜1606年、1570〜99年、1573〜1626年という、16世紀後半から17世紀前半に伐採されたとのデータを得た。

 同委員会によると3カ所の測定の精度は9割以上で、「(柴田勝豊の築城記録が残り、国内最古となる)1576(天正4)年を含む年代の木材が使われていたことは大きい」という。

 また床板や建具材など21点について、年輪年代測定を実施。樹皮に近い部分の残り方によって誤差はあるものの、1階床板で1581年、2階小部屋の板戸で1620年の年輪年代が測定できた。これらは主要部材ではないため建築年代の特定にはつながらないが、同時期に何らかの建築行為があったことがうかがえるという。

 調査した床材などの年輪のパターンから、東北産のヒバ材を使用していることも判明した。県内の中世近世移行期以前の建造物で、東北産の木材が使用されていることが科学的に証明されたのは初めて。日本海側の木材流通を知る上でも貴重な資料という。

 同委員会会長の吉田純一・福井工大教授は「天守が16世紀後半に建造されていれば国宝化の可能性は高くなる。2年間の調査で、16世紀後半の可能性が見えてきた」と成果を語った。2017年度はあわら市と小松市に残る旧城門や丸岡城の石垣などについて調査する予定。調査委は18年度中に報告書をまとめる。

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