サクラマスの産卵場づくりに取り組む「サクラマス・レストレーション」のメンバー=2009年10月、福井県永平寺町の永平寺川

 水環境の健全化に貢献している団体や学校を対象にした第19回日本水大賞の受賞者が29日発表され、サクラマスをシンボルに福井県の九頭竜川の環境保全に取り組む釣り人団体「サクラマス・レストレーション」が環境大臣賞に選ばれた。同賞は最高賞の大賞に次ぐ六つの大臣賞の一つ。7月11日に東京で表彰式が行われる。

 1998年に創設された日本水大賞は、秋篠宮さまが名誉総裁の日本水大賞委員会と、国土交通省が主催。今回は全国から136件の応募があった。

 同団体は、福井県内外のフライフィッシングの愛好者を中心に2008年に立ち上げた。サクラマスの“聖地”と呼ばれる九頭竜川で、産卵状況の調査、産卵場や人工産卵床、魚道の整備、固有種の稚魚放流などを国、県、流域の漁協、地元住民と連携して進めている。10年ごろまで産卵期のサクラマスが遡上しにくかった鳴鹿大堰は、同団体の提言もあって魚道の流量調整が行われ、上流部での産卵が増えた。

 日本水大賞の審査では、地元児童の環境学習や他団体との協働など地域密着型の活動が注目された。「趣味を通じて集まった団体が、親睦団体の域を越え、河川の多様な生態系維持の実働団体として地域に認知されており、他の河川流域にも普及してほしいケース」と高く評価された。

 同団体代表の安田龍司さん(53)=名古屋市=は「九頭竜川には人を引き付ける力があり、生き物や自然が好きな仲間が集まった。環境改善と大げさに構えなくても、川を守る方法があることを広く知ってほしい」と強調。事務局長の天谷菜海さん(56)=福井県永平寺町=は「今後は自然との共生で成り立つ食文化も取り上げ、多くの人に関心を持ってもらえる流れをつくりたい」と意気込んだ。

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