自社で取り組む「働き方改革」の優先課題

 福井新聞社が実施した福井県内66社への新卒採用計画アンケートでは、政府が重点施策に掲げる「働き方改革」についても質問した。自社で取り組む優先課題として「長時間労働の是正」を挙げる企業が約6割に上り、残業時間削減や効率的な働き方への取り組みを重視している姿勢が鮮明となった。多様で柔軟な働き方ができる各種制度の導入・充実を図りながら、生産性の向上につなげようとする動きも出ている。

 政府は罰則付きの残業時間の上限規制を明記した長時間労働の是正や、正社員と非正規労働者との不合理な差をなくす「同一労働同一賃金」の導入を盛り込んだ働き方改革の実行計画をまとめた。今年の就職活動戦線でも大きな関心事となっており「時代の流れ。働き方改革を適正に実施しないと、採用面でも大きく影響してくる」(商業)との意見があった。

 働き方改革の優先課題で最も多かったのが「長時間労働の是正」(38社)。「社会保障など女性や若者が活躍しやすい環境整備」(9社)「病気の治療、子育て・介護と仕事の両立」(6社)「賃金引き上げ」(4社)を大きく上回る結果となった。

 残業時間の削減やワークライフバランスの充実に向けた取り組みに関する設問(複数回答)では「残業に事前承認が必要な制度の導入」が40社で最多。「年次有給休暇の取得促進」(32社)「ノー残業デー・ノー残業ウイークの設置」(28社)「変形労働時間の導入」(25社)「短時間勤務制度の導入」(21社)「時間管理が評価される管理職人事制度の導入」(9社)と続いた。終業と始業の間に一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」を導入する企業はなかった。

 さらに具体的な取り組みを記述式で聞いたところ▽時差出勤(午前7時〜11時で出社時刻を設定)▽IT端末や通信技術を活用し、時間や場所にとらわれず自宅などで働く「テレワーク」の推進▽土日に続けて有給休暇消化を促進▽1日単位の休暇制度▽週3日は定時で帰社▽—などが挙がった。

 このほか自由記述からは「人手不足で残業時間が増加している」(製造業)「お客さまの納期が優先。一部社員や部門の長時間労働が慢性化している」(同)との悩みが聞かれた。少子高齢化に伴い労働人口の減少が進む中、「業務の見直し、適正な労働時間の管理に取り組みながら、生産性の向上、効率化につなげたい」(金融業)との考えを示す企業も多く、ある小売業は「事務所の統合や人員配置の見直しを行い、業務を平準化している」と答えた。

 人手不足への対応や従業員の労働環境改善に向け、店舗の営業時間を短縮したり、短時間のパート採用によって社員の負担軽減を進めたりしている小売業者もあった。

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