望遠鏡をのぞいて卵を守るコウノトリを観察する児童=3日、福井県越前市の商工会白山支所

 福井県越前市白山地区に営巣している国の特別天然記念物コウノトリの野外ペアに、ひな誕生の期待が高まっている。本格的に抱卵に入って1カ月近く。有精卵であれば一両日中にもふ化するとみられ、地元住民有志でつくる「見守り隊」は3日、巣から離れた場所でペアを見守る観察会を始めた。「神経質な時期なので、近寄らず遠くから見守ってほしい」と呼び掛けている。

 ペアは3歳の雄と5歳の雌で、福井県は2月28日に産卵を確認。3月10日に本格的な抱卵に入ったと発表した。

 観察会は、マナーを守ってコウノトリを見てもらおうと、同市菖蒲谷町にある巣から約300メートル離れた市商工会白山支所で始まった。

 初日は同市白山小の1〜5年生約20人が訪れ、野鳥観察用の望遠鏡や巣を拡大表示したパソコン画面をのぞき、卵を温める親鳥の姿を見守った。

 県里山里海湖(うみ)研究所の高橋繁応(しげお)相談員は、親鳥がえさを吐き戻す行動は「卵からひながかえった証拠で、確認できるのを待っている」と説明。見守り隊の野村みゆきさん(57)が「コウノトリの親は鳴かないけど、ひなは鳴き声を出すよ」と話すと、児童たちは「楽しみ」と笑顔を浮かべていた。この日は、えさの吐き戻しなどふ化の兆候は見られなかった。

 見守り隊によるとこの2日間、ケージ近くまで車を寄せたり、至近距離から写真撮影したりする人が見られたという。野村さんは「巣の近くで人間が騒ぐと、コウノトリにストレスを与えてしまう。近くで騒いだり、写真を撮ったりしないで静かに見守ってほしい」と話していた。

 観察会は同支所で21日まで開く。午前10時〜午後2時、無料。

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