「順化を福井で一番防災の進んだ地区にしたい」と話す永井さんと、所有するドローン=福井市

 災害に備えた一時避難所や避難経路の設定、有事の際の被災状況の確認を小型無人機ドローンで空から担う「ドローン部隊」が、福井市の順化地区自主防災連絡協議会に発足した。市中心市街地の同地区はビルが多く、大地震で倒壊の恐れもある。メンバーは「ある意味、福井で一番危険な地区だからこそ、ドローンを活用して一番防災の進んだ地区にしたい」と意気込んでいる。自主防災組織のドローン活用は、全国でも珍しい取り組み。

 発案者は同協議会実行委員長の永井茂樹さん(63)。一昨年、趣味でドローンを購入し国土交通省の許可を得て自宅周辺を空撮、最寄りの一時避難所周辺がビルに囲まれていることに気付いた。倒壊や割れた窓ガラス落下の恐れがあり、ドローンの映像を活用し、ビル付近を通らずに避難所にたどり着ける避難経路を定めた。

 また昨年4月の熊本地震で避難経路確保にドローンが活躍し、孤立集落との連絡には無線が役立ったことを知り、同協議会の体制強化を地区に提案。10月にドローン部隊や無線部隊を設けた新体制がスタートした。ドローン部隊には永井さんら2人が所属。無線部隊は地区内のアマチュア無線愛好家を中心に発足した。

 永井さんはドローンを3機所有。風速10メートルに耐えられるタイプで、タブレット端末で操作する。電波が途絶えても落下せず、自動で戻ってくる機能を備えている。

 今後は地区内各地でドローンを飛ばし、一時避難所や安全な避難経路の策定につなげる。ほかの地区からも防災に役立てるための空撮依頼を受けており、永井さんは「できる限り協力したい」と話している。

 同協議会は、無線部隊へのデジタル無線配備を予定しているほか、自治会ごとの世帯数や人口、年齢層、要介護者の人数の調査を行っている。

 「防災訓練の参加率を上げるなど、地区全体の防災意識を高めていきたい」と永井さん。ドローン部隊のメンバーの増員や機材の充実にも取り組みたいとしている。

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