介護福祉士を目指して、福井県内事業所の面談に臨むベトナム出身者たち(右)=4日、福井市高木中央3丁目の県医療福祉専門学校

 介護福祉士の国家資格を取れば日本での在留資格が得られるよう入管難民法が改正されたのに伴い、福井県内の介護福祉士養成校での外国人受け入れが本格的に始まる。県内の養成校3校には今春、ベトナム出身の計28人が入学。そのうち2校は留学生が多くを占める。介護施設側も、人手不足解消につなげたいと、養成校と連携し在学中の生活支援に向けた体制を整えるなどの動きが出てきた。

 ■40人のうち12人

 「お年寄りのお世話が好きだから介護職に就きたい」「少子高齢化が進む日本で、何か手伝いたい」。今年2月に行われた県医療福祉専門学校(福井市)の入試には、ベトナム出身の男女約20人が挑んだ。東京都や福岡県などの日本語学校を卒業した20〜26歳。生き生きとした表情で面接官に志望動機や意気込みを伝えていた。

 同校では昨年度の留学生は1人だったが、本年度は介護福祉士コースに入学する約40人のうち12人がベトナム人。語学支援の講師を1人増員したほか、留学生の学費の半額を補助する県の制度を使い、残りの半額は同校が負担するなど教育費を支援する。

 「介護職を目指す日本人が減っており、人手不足が続いている。外国人の受け入れは必須」と同校の水野正伸教務主任。「受け入れには教育と生活支援の両方が必要。教育は学校でできるが、生活支援は難しい」

 ■介護施設側も連携

 県老人福祉施設協議会が昨年12月に行った調査によると、同会加盟の県内約120事業所のうち、特別養護老人ホーム(特養)「藤島園」(福井市)や「ひかり苑」(永平寺町)など7事業所が外国人の介護福祉士受け入れを希望した。介護現場への外国人増を見越し、受け入れ態勢構築につなげたい、などと理由に挙げる。

 7事業所は、同校の呼び掛けで、留学生たちの生活を支援する団体を交えた連携体制を整備。各事業所の職員が同校の入試会場を訪れ、受験した留学生と面談した。「笑顔がすてきで真面目」「コミュニケーションが取れ、礼儀作法も良い」と好印象だった様子。今春から留学生の実習先となるほか、アルバイトとして雇用するなど生活支援にも協力していくことになった。

 7事業所の一つ、特養「あさむつ苑」(福井市)の吉田雅世施設長は「1事業所だけでは受け入れる仕組みを整えるのは難しい。連携体制はありがたい」。高齢化が進み、求められる福祉サービスの質も高くなっているとし、「一緒にサービスの質を高めていけたら」と期待を寄せる。

 ■まちの活性化にも

 県内では、若狭医療福祉専門学校(美浜町大薮)もベトナム出身の14人、大原学園福井校(福井市)も同国出身の2人を受け入れる。

 このうち、若狭医療福祉専門学校は留学生の受け入れは初めて。介護福祉科の入学者の半数以上がベトナム人となるため、語学面での支援体制を整備した。

 在学中は嶺南地方の介護福祉施設で実習し、卒業後は主に関西圏の施設を就職先として紹介する予定。将来的には県内施設も視野に入れている。西村久美子副校長は「取り組みを継続すれば地元に暮らす人が増え、まちの活性化やグローバル化につながる。文化を学び合って勉強できる環境を築いていきたい」と話している。

関連記事