協賛企業から集めた食材で作った料理が並ぶ会場=福井県鯖江市水落町2丁目のアイアイ鯖江・健康福祉センター

 福井県内を中心に活動する一般社団法人「ゆるパブリック」(ゆるパブ)などが鯖江市アイアイ鯖江・健康福祉センターで開いている食事会「ゆるい食堂」が人気を集めている。誰でも参加でき、メンバーが協賛企業から集めた食材で料理を無償提供。食育や触れ合いといったさまざまな“味わい”を求め、大勢の人がやって来ている。

 ▽楽しみながら
 5回目となる2月の食事会には約100人が会場を埋め尽くした。SNSを通して集まったボランティアも30人以上を数える。全員で「合掌、いただきます」と声を合わせ、食卓を囲んだ。

 食材は20近い協賛企業・団体からメンバーが調達。持ち寄った食材に合わせて当日献立を決めるのも醍醐味の一つだ。ミンチの代わりに刻んだ豚肉を入れたロールキャベツや、正月の余り物とみられる餅を入れたグラタンも。残った餅はかき揚げにした。

 バイキング形式で10品以上が並んだ。食器は越前漆器が使われ、料理を一層引き立てる。各皿にはアレルギー物質を表示。ケーキは人数分用意できなかったが、じゃんけん大会を開いて楽しみながら分け合った。

 親子連れが多いが、学生やお年寄りの姿も。家族4人で参加した市内の30代の女性は「子どもたちが料理の手伝いもできる。どんな料理が出るのか分からないのも面白い」と娘2人の食育にもなることが魅力だという。友人2人と訪れた市内の70代女性は「1人暮らしなので、みんなで食事をするのは楽しい」と笑顔があふれた。

 ▽生きる力を
 食事会は昨年5月から行っており、市内の小学校などにチラシを配布するなどして参加を呼び掛けている。開催日は同センター内で開く市母子寡婦福祉連合会のひとり親に向けた学習会に合わせており、満足な食事を取れない子どものためにという目的もある。

 ただ、ゆるパブ理事で慶応大特任講師の若新雄純さんは「2カ月に1回程度の開催で貧困問題は解決できるとは思っていない」ときっぱり。重い使命感より「レジャーのように楽しむこと」が重要とし「市民活動でもこれだけのことができるというモデルケースとして、同じような展開が他で広がるきっかけになれば」と狙いを話す。

 ゆるパブの一員で食事会を発案した女性は食育の観点から食事会の意義を強調。「子どもたちがご飯を炊けて、みそ汁が作れるようになれればいいと思う。生きる力を身に付けてほしい」と話す。今後、協賛企業と協力して農業や料理体験教室を開くことも検討している。食事会の問い合わせはゆるパブ=電話090(4685)9550。

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