フォーの新型製麺機をチェックするアジチファームの伊藤武範社長=3月、ベトナム・ハノイ

 福井市のメガファーム、アジチファーム(本社同市黒丸町、伊藤武範社長)は、ベトナムの農業法人と同国に合弁会社をつくり、7月から日本米の現地生産に乗り出す。福井で生産した日本の種もみを全国で初めてベトナムに持ち込み、生産から乾燥調製、加工、販売まで全てを手掛ける。一方、県内では中山間地を利用して長粒種のインディカ米を生産。福井県産生麺による米麺フォー普及による米消費拡大を目指す。

 アジチファームが運営する直売所・レストラン「越麺屋」(福井市黒丸町)の飲食部門では、昨年8月からベトナムの大衆食フォーを主力メニューとして販売している。麺やスープに絡める香草パクチーを盛り放題にするなどして人気を集め、越麺屋全体の売り上げをフォー販売前の3倍以上に伸ばしている。

 ただ、粘りが強いコシヒカリの米粉はあっさりとしたフォーには適さず、蒸気で蒸す本場ベトナムの製麺機も国内で造られていない。このためベトナムの乾麺を仕入れて調理し提供している。

 アジチファームはこの現状を打破するため、今年から県内でフォーに適した長粒種を生産する。製麺機もホーチミン工科大教授の協力を得て、本来横幅が約30メートルもある機械のコンパクト化に成功。国の補助金を活用して、このコンパクト製麺機を輸入し今秋以降、自家原料、自家製麺のフォーを提供していく方針。

 長粒種の生産は強風に倒れやすい弱点を緩和し、雑種交配を防ぐ観点から中山間地で行う。農地の集積・集約が難しい“飛び地”の有効利用を図っていく。

 伊藤社長は「フォーは原価率が低く、健康食としても注目されている。越麺屋から全国に発信、展開して、国内コメ消費の減少に歯止めをかけたい」と話している。

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