少子化ジャーナリストの白河桃子さん

 今は結婚したい人は行動しなければならない時代です。ただ婚活という言葉は誤解されているかもしれません。「好条件の相手を争奪する」「お金を払わないとできない」などと思われがちですが、本当はそうではなく「待っていればいい時代ではない。受け身ではいけない」ということ。団塊の世代はお見合いや親の意思などが働き、結婚はたやすかったと言えますが、今は違う。結婚を望むなら自宅と会社の往復ではなく、誰かと時間と目的を共有する場を持つことが大切です。

 今は多様な価値観があります。結婚したくない人に押しつけることはできない。専業主婦(夫)として家事に責任を持つのも一つの結婚の形です。さまざまな選択が受け入れられる世の中になるといいなと思います。

 現代の結婚事情で言えば、男性の6割が女性に働いてほしいと思っているとのデータがあります。例えば、女性が出産を機に仕事を辞めると、生涯の世帯年収が約1億円失われる。2人でお金を稼ぎ、子育てに協力する「共働きと共育て」が主流になってこざるを得ないでしょう。福井県は共働きが当たり前となっていますが、育児参加の面はどうでしょうか。男性の家事、育児参加は子どもの発育に関わります。共働き県はイクメン県でもあるはずです。

 夫婦の働き方と出生率には関係があります。東京や神奈川など長時間労働、長時間通勤の環境では少子化率が高い。一方、夫が休日に6時間以上子育てに協力する夫婦は第2子が産まれる割合も高いです。女性が働きながら子育てできる環境が、出生率を高めます。男性の育児参加と女性活躍は両輪です。

 企業はどう社員を支援すべきでしょうか。政府は働き方改革で長時間労働の是正に取り組んでいます。育児休業の取得や定時退社も大切です。多様な働き方を設計する、経営者の意識が求められます。

 福井県は未婚率が低く、出生率も高い、優等生のような県です。若い世代は自分の親に手伝ってもらいながら、仕事を続ける人が多いとも聞きます。「働くのは当たり前」というDNAを大切にしつつ、好きな仕事を、楽しく生き生きと続けたいという意識を持ち続けてほしいです。

 ■結婚事情に詳しい少子化ジャーナリスト 白河桃子さん

 1961年、東京都生まれ。作家、相模女子大客員教授。山田昌弘中央大教授との共著で現代の結婚事情を書いた「『婚活』時代」により「婚活」がブームに。女性活躍、男女共同参画などを専門とし、政府の働き方改革実現会議で民間議員を務めた。

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