緻密な職人技を披露した刀身彫刻の実演=9日、福井市立郷土歴史博物館

 福井市立郷土歴史博物館の春季特別展「刀に彫る−刀身彫刻の世界−」(福井新聞社共催)の実演イベント「現代の金工師による刀身彫刻」が9日、同館で行われた。「カン、カン」と金属音を響かせ、刀に竜を彫り進めていく緻密な作業が披露され、若い女性を中心に多くの人が熱視線を注いだ。

 岡山県の金工師・片山重恒さん(44)が実演した。約43センチの刀剣に竜の全身を彫る作業で、1日前から取りかかったばかり。墨で刀身に描いた下書きに合わせて、タガネで竜の尾からの彫り始めを実演した。

 刀は深さ2〜3ミリまでしか彫り込めず、立体的に見せるため彫りの角度を調整し陰影をつけるという。緻密な作業で、この竜の場合は完成までに約4カ月かかる。同館によると、刀身彫刻を仕事にする金工師は全国で5人程度と少なく、実演は珍しく県内では初めて。

 会場では作業日数や彫りのポイントなど、熱心な質問が寄せられた。数年前から刀剣に興味を持っているという福井市の女性(18)は、「刀身の彫刻は初めて見た。手作業で根気強く作り上げるのが魅力的」と話していた。

 同展は5月7日まで。23日には、金工師・木下宗風さんが刀身彫刻を披露する。問い合わせは同博物館=電話0776(21)0489。

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