もんじゅの廃炉作業について「電力、メーカー、海外の知見や人的協力が必要」と語る安部智之もんじゅ所長=11日、福井県敦賀市のもんじゅ

 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の所長に4月から就任した安部智之氏が11日、福井新聞のインタビューに応じた。政府が検討している廃炉の実施体制に関し、安部氏は「日本で初めてのナトリウム冷却高速炉の廃炉作業となるので、電力やメーカー、海外の知見、人的協力が必要なプロジェクトだと認識している」と語った。

 —廃炉決定の中、所長としての役割は。

 「プラントは、しばらくはこれまでと同じ状態が続くので、保守管理の改善の取り組みを継続し現場力を高める。安全、着実に廃炉作業を進めつつ、今後の高速炉開発に貢献できるよう、もんじゅに求められる成果を出していく」

 —所内の職員の意識をどう感じているか。

 「廃炉方針が決まった瞬間は皆少し頭が空っぽになるようなところもあったが、少しずつ整理して前向きな気持ちに変わってきている。もんじゅの現場をしっかりと守る責任がある、という意識を共有しようと呼び掛けている」

 —廃炉体制の政府原案について、どう思うか。

 「ナトリウム冷却高速炉の廃炉は海外で既に進んでいる。もんじゅの廃炉作業は国内初となるだけに、海外の技術や国内軽水炉の廃炉の知見を反映すべきで、経験を持った人を陣容に新たに加えるのは必要だと思う」

 —原子力機構が策定する廃炉の基本的な計画の検討状況は。

 「もんじゅの廃炉作業の特徴や注意点など、技術的な検討を進めている。政府の基本方針が出たら、現場で仕事をどう変えていくかなどの計画を迅速に具体化させる。当面の作業となる炉心の燃料取り出しは、政府の工程案で5年半。関連設備の部品調達や点検にそれなりの期間がかかるが、安全かつ速やかに進めるよう検討している」

 —地元は使用済み燃料とナトリウムの敷地外搬出の工程を示すよう求めている。

 「使用済み燃料を搬出するには再処理先などを決めなければならず、国の検討を待たざるを得ない。ナトリウムの処理方法は海外で確立されており、敷地内で安定的な形態に処理するまでは技術的に可能。ただ、放射性廃棄物として扱う必要がないかを評価する規制上の手続きを整える必要があり、検討には時間が必要」

関連記事