巣の中に産み落とされた卵と、それを見守る「ふっくん」=16日、福井県越前市中野町(県提供)

 福井県越前市白山地区で県が飼育する国の特別天然記念物コウノトリ「ふっくん」(雄)と「さっちゃん」(雌)のペアが、卵を1個産んだことが16日分かった。ペアは、石川県加賀市での鳥インフルエンザ発生を受け3月中旬まで隔離されるなどし、繁殖行動への影響が懸念されていたが、無事に産卵した。産卵は5年連続で、昨年より10日遅い。

 今年1月に加賀市で野鳥の死骸から鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たのを受け、ペアは対策ケージに移され3月17日まで約2カ月間、接触できない状態だった。交尾の時期と重なったほか、環境の変化によるストレスも考えられ、影響が心配されていた。福井県の担当者は「隔離が若干影響したかもしれないが、産卵時期としては順調」と胸をなで下ろしていた。

 県のコウノトリ支援本部によると、16日午前8時25分ごろ、県の飼育員が目視で巣の中の卵を確認した。同日午前0時40分ごろに産卵したとみられる。日中はペアが交代で巣に入り卵を抱く様子がみられた。飼育員が近づくと、ふっくんは羽を広げて威嚇するなど、早速“お父さんぶり”をみせていた。

 コウノトリは通常、1週間程度の間に2〜5個産卵する。県は今後も確認を続け、産卵終了と判断した後に、有精卵か無精卵かを判別する検卵を行う。

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