大飯原発訴訟の流れ

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止め訴訟控訴審の証人尋問が24日、名古屋高裁金沢支部で開かれる。関電の地震想定を「過小評価の可能性がある」と指摘している島崎邦彦・前原子力規制委員長代理が証人で、内藤正之裁判長は「最も重要な証人」と指摘。島崎氏は大飯原発の地震対策の審査を指揮した当人だけに、発言が裁判にどのような影響を与えるのかが注目される。

 島崎氏は2012年9月の規制委発足時から2年間、委員長代理を務め、地震や津波の審査を担当した。大飯原発の基準地震動(耐震設計の目安とする揺れ)は、島崎氏が在任中に指揮した審査で了承されたが、退任後、算出に使う計算式を検証し、地震想定が過小評価されている可能性を指摘。原子力規制庁が他の計算式で再計算した結果、「見直す必要はない」と判断した経緯がある。

 証人尋問は、島崎氏の指摘を重視した住民側が申請。島崎氏の厳しい指摘は裁判所の判断に影響を与える可能性があり、24日の証人尋問は控訴審のヤマ場になりそうだ。住民側の佐藤辰弥弁護団長(65)=福井市=は「基準地震動の問題は大飯だけでなく他の原発にも当てはまる。規制委の中心メンバーだった島崎氏が法廷で語ることは重みがある」と話す。島崎氏には、大飯原発を審査した担当時の認識などについて問う予定。

 一方、3月の四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止め訴訟では、広島地裁が仮処分申請を却下したが、「地震学者や規制委の関係者らの証人尋問を実施し、審査の経緯などを慎重に認定する作業が不可欠だが、本案訴訟で行われるべきで仮処分手続きにはなじまない」と指摘した。佐藤弁護団長は「島崎氏の証人尋問の重要性があらためて確認された。大飯原発の基準地震動が過小評価されていることを立証し、新規制基準の不合理性を明らかにしたい」と話している。

 大飯3、4号機を巡っては、一審の福井地裁(樋口英明裁判長)が14年5月、関電の地震対策に「構造的欠陥がある」として再稼働差し止めを命じた。

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