桜の木に寄生したコフキサルノコシカケを取り除く、ふくい桜守の会の会員たち=22日、福井市桃園1丁目

足羽川堤防の桜に寄生しているコフキサルノコシカケ

 「日本さくら名所100選」に選ばれ、毎年春に多くの人を魅了している福井市の足羽川堤防の桜に近年、広葉樹の寿命を縮めるキノコ「コフキサルノコシカケ」が寄生しているのが目立ってきている。桜を守り育てようと活動する市民グループ「ふくい桜守の会」が22日、このキノコの除去に着手。美しい花が長く咲くよう願いながら、作業に汗を流した。

 ふくい桜守の会は、足羽川堤防や足羽山に植えられた桜を次世代に伝えようと地域住民や観光団体、行政関係者らが2008年に立ち上げた。樹木医の助言を受け毎年桜を見て回り、弱った木の手当てなどを行っている。

 「足羽川堤防の桜にキノコが増えている」。ことし2月、市民から情報が寄せられ市職員が調べたところ、木田橋から新明里橋までの桜約600本のうち、約80本でコフキサルノコシカケが見つかった。会員の樹木医から、寄生によって倒木の恐れがあることを聞いた同会は、市民にも参加を呼び掛けて除去することにした。

 コフキサルノコシカケの菌は、幹にできた傷から侵入して幹の内部を腐らせるため、空洞化が進み倒木を招く。菌の完全除去は伐採以外では難しいが、幹の表面から出ている「かさ」を取り除けば、胞子の飛散を防ぎ周辺への拡大を抑えられるという。

 「ふくいの桜を守ろう! 足羽川桜並木保存大作戦」と銘打った除去作業には、同会員を中心に市民ら25人が参加した。市の調査で寄生が多かった九十九橋—新明里橋間の左岸の桜の状態を確認。幹に張り付いたコフキサルノコシカケを見つけると、半円状の堅いかさをのみと金づちを使って剝がし、木の回復を促す薬剤を丁寧に塗っていった。

 家族で参加した下田長門君(小学6年)は「キノコが木を苦しめていたなんて知らなかった。大人になってもこの桜並木が見られるように守りたい」と話していた。

 同会副会長で樹木医の今井三千穂さん(72)は「戦後植えられたこの桜たちは年を取っているが、きちんと管理すればあと20年は生きられる」と強調。堀田達也会長(53)は「木が弱っているのを実感した。今後は古木の保全にも力を注ぎ、福井の宝である、この桜を後世に伝えたい」と意欲を見せていた。

 この日は3時間の作業で約50個を除去。全てを取り除けなかったため、同会は6月にも作業する。

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