テラスクールでプログラミングの基本を学ぶ児童ら=福井市花月1丁目の福井東別院

 福井市の真宗大谷派福井別院(福井東別院)が4月、子ども向けのプログラミング教室「Tera school(テラスクール)」を開校した。若者の寺離れや檀家(だんか)の減少が叫ばれるなか、幼少期から寺を身近に感じてもらおうと、市内の寺院の跡取りら若者3人が企画。新しい教育の場としての「現代の寺子屋」を目指している。

 「前に動く」「90度曲がる」などの指示を与え、画面上の駒を動かす−。市内の児童6人が、プログラミングの“いろは”を手軽に学べるオンラインゲームに熱中していた。4月16日、東別院であったテラスクール開校日の光景だ。さまざまな専用言語を扱うプログラミングに必要な思考を養えるのだという。

 テラスクールはもともと、京都市のNPO法人「寺子屋プロジェクト」が同市の東本願寺など3寺院で始めた学習塾。プログラミングのほか、社会・経済分野を学ぶグループワークなどを実施している。

 その活動を知った福井東別院の熊谷洋潤さん(28)が「福井の寺を盛り上げるため」にテラスクールの名称を借り、同様の教室を福井で企画・運営することを一念発起。共感した若手の寺院関係者も協力することになった。

 背景にあるのは、「若者にとって寺が縁遠い存在になり、寺のあり方が問われている」という危機感。とにかく寺に足を運んでもらうことで、身近な存在として受け入れてもらいたいという思いがある。メンバーにプログラミングの専門家はいないが、大学生ボランティアの力も借りながら開校にこぎつけた。

 初日には、寺子屋プロジェクトのメンバー2人も京都から応援に駆け付けた。荒木勇輝代表(33)は「歴史を振り返ると、寺は新しい教育をする場であり、人が集う場だった。寺を舞台に学びが広がると面白い」と語り、寺が生活の中心にあるかつての光景を期待する。

 熊谷さんは「幼少期から寺に親しむ場として、教室の内容を充実させていきたい。学習塾というより、大人と子どもが楽しく学び合う場になっていけば」と話している。

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