日本遺産認定を受け、来館者でにぎわう北前船主の館・右近家=28日、福井県南越前町河野

室町期の大甕(がめ)を囲んで日本六古窯の日本遺産認定を喜ぶ内藤町長(右)と越前焼の関係者ら=28日、福井県越前町の県陶芸館

 文化庁は28日、地域の有形、無形の文化財をテーマでまとめる「日本遺産」に23道府県の17件を新たに認定した。福井県関係では日本海側7道県の11市町にまたがる「北前船寄港地・船主集落」(福井県敦賀市、同南越前町)と、日本古来の焼き物技術を継承している日本六古窯(にほんろっこよう)の一つとして越前焼(福井県越前町)が選ばれた。


 2015年から毎年認定し、今回の第3弾で計54件となった。15年には小浜市と若狭町の「御食国(みけつくに)若狭と鯖街道」が認定されており、福井県関係の日本遺産は計3件。

 認定は地域の魅力を国内外に分かりやすく伝え、観光振興につなげるのが狙い。地域は一自治体に限らず、受け継がれてきた文化財を中核に、歴史的な経緯や風土に根ざした「ストーリー」があることが重視される。

 「北前船寄港地・船主集落」は江戸、明治時代に日本海を航行し、各地で物資を売買して利益をあげた商船にまつわる遺産。敦賀市は荷揚げ品だった昆布が今でも伝統産業として残る。南越前町河野地区では北前船主の邸宅だった「右近家」が資料館として活用され、「中村家」は国の重要文化財に指定されている。

 日本六古窯は越前焼のほか、瀬戸、常滑、信楽、丹波、備前焼で構成。それぞれが中世から続く「日本生まれ日本育ちのやきものの産地」であることをアピールした。越前焼には平安末期からの伝統があり、越前町内には豊かな歴史を示す窯跡や文化財が多く残っている。

 南越前町の右近家前で敦賀市と合同の記念セレモニーが開かれ、越前町の越前陶芸村文化交流会館でも関係者がくす玉を割って認定を祝った。
 文化庁は東京五輪・パラリンピックが開かれる20年までに100件に増やす方針。

 第3弾では自治体から1、2月に公募申請を募り、寄せられた79件から有識者委員会が選んだ。県内から申請していた県と福井、勝山両市の「時空を超えた都市に出会う旅〜中世・戦国の巨大都市物語」、越前市、鯖江市、越前町の「工房群に美技(びわざ)ひしめくまち」、大野市の「山峡の盆地に浮かぶ城下町」、永平寺町と勝山市の「白山に育まれた禅文化」の認定は見送られた。

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