合区解消に向けた意見書を全会一致で可決した福井県議会。福井県内の市町会も同様の動きを見せた=3月14日、県会議事堂

 憲法が3日で施行から70年を迎える。その課題の一つに「1票の格差」が挙がる。是正策の一環として、昨年の参院選では有権者数が少ない選挙区を統合する「合区」が導入された。福井県も合区の対象となる可能性がある中、従来通り都道府県単位の代表を選出する仕組みを維持しようと、県議会をはじめとした地方議会、西川一誠知事ら首長と県内が一丸となって合区解消の声を上げ始めた。

 昨夏の参院選では議員1人当たりの有権者数が下位の4県を対象とし、鳥取、島根両県と、徳島、高知両県がそれぞれ一つの選挙区に統合された。この結果、議員1人当たりの有権者数が全国最少となったのが福井選挙区。昨年9月2日現在の選挙人名簿登録者数でみると、福井は32万8772人で、最多の埼玉101万5543人との格差は約3倍。合区で格差を是正する流れが続けば、福井が次の“標的”となる懸念がある。

 3月14日の県会閉会日には自民党所属議員で構成する最大会派・県会自民党の主導で、合区解消を国に求める意見書が提案された。共産党の佐藤正雄議員が賛成討論を展開するなど、全会一致で可決。与野党を問わず、県内で反発が高まっていることを浮き彫りにした。

 合区解消に関する意見書や決議は、県内市町会も昨年12月から今年3月に掛けて可決、採択するなどしている。首長でも西川知事が今年2月に緊急提言を参院議長に行ったのをはじめ、県市長会は今年1月、県町村会も昨年12月に決議を採択した。

 西川知事は4月発売の雑誌に寄稿し「ただ人口に定数を合わせればいいという形式平等主義が横行している」と、合区のように人口が少ない地方の議席を減らす動きを批判。同月26日の定例会見では「地域を盛り上げるような選挙制度にしていくということが大切。裁判の判断が出てから切羽詰まった議論を繰り返しているのはまずい」と指摘した。

 こうした動きに、県選出の滝波宏文参院議員は「地方からこういった声が上がることを力にしたい」と話す。滝波氏は自民党参議院在り方検討プロジェクトチームのメンバー。合区解消を含めた参院選挙制度の抜本的な見直しに向け、検討を重ねている。

 参院選についてはこれまで10年、13年の選挙とも「違憲状態」との判断を最高裁が示してきた。昨夏の参院選の判断は年内にも下される予定で、滝波氏は「今年が天王山だ」と強調。すでに自民党の憲法改正草案には、参院議員は都道府県単位の代表を選出する形にするとの条文が盛り込まれているといい、「地域代表としての役割を参院議員が持つことで、二院制の意義も出る。憲法改正の動きと合わせ、公選法などの改正発議をする必要がある」と話している。

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