2016年度の利用者数が過去最高の355万人となったえちぜん鉄道。利用者目線に立ったサービスが好評を得ている=2日、福井駅

 えちぜん鉄道(福井県)の2016年度の利用者数は、15年度を9万7671人上回り、過去最高の355万8628人となった。昨年3月末に運行をスタートした福井鉄道との相互乗り入れが新たな利用者を掘り起こしたことに加え、「日常生活型」の通勤定期と、観光・イベント目的の「非日常型」が順調に伸びたのが主な要因。同社が2日発表した。

 利用者数の内訳は、通勤・通学定期と回数券利用の「日常生活型」が4万9699人増の224万1867人。「非日常型」は4万7972人増の131万6761人だった。

 利用者数を押し上げた要因の一つが相互乗り入れ便の運行だ。田原町駅(福井市)をまたいで直通区間の鷲塚針原(同)—越前武生(越前市)を移動した利用者数は13万2576人で、田原町駅での乗り換えが必要だった15年度を8万3463人上回った。

 相互乗り入れや利用者の目線に立ったサービスで電車の使いやすさが増し、「日常生活型」のうち通勤定期が10%増えた。沿線のパークアンドライド駐車場にマイカーを止めてから電車に乗って通う人が増加した。一方、通学定期は2%減だった。理由について豊北景一社長は「少子化のほか、沿線にあった春江工業高が坂井高に統合された影響が大きい」と分析している。

 「非日常型」は、北陸新幹線の金沢開業効果が一息ついた感がある中で、営業活動の強化によって福井県立恐竜博物館(勝山市)の常設展入館券とえち鉄の1日フリー切符、乗り継ぎバスの往復利用券を組み合わせた「恐竜セット券」は309枚増の2万470枚が売れた。路線バスなどとの交通結節機能が向上したJR福井駅西口広場の供用開始やハピリン開業も利用者数増の要因とみている。

 17年度の目標は360万人。豊北社長は「安全運行とプロのサービスを通じ、お客さまに楽しく、ほっとできる体験を提供していきたい」と強調。具体的には、沿線のまちづくり事業や交流事業へ積極的に参画し、駅を中心とした新たな人の流れの創出を目指す。来年の福井国体・全国障害者スポーツ大会や20年の東京五輪・パラリンピック、23年春の北陸新幹線開業を見据えた観光商品開発にもさらに力を入れていくとしている。

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