今年の台風13号(シンラコウ)は、9月18日から19日にかけて本州南海上を東北東進し、福井県では雲が広がる程度ですみましたが、太平洋側に大雨をもたらして東へ去りました。

今から55年前の1953年9月25日は、台風13号により福井県は未曾有の水害に見舞われました。若狭高等学校3年の私は当時のことを鮮明に記憶しています。当日の授業は午前中で終わり、早退となりました。校舎から見える南川は満水でオーバーフロー寸前でした。漁港の近くを通学路としていましたが、海面が上昇して、船着場はコンクリートの上まで海面となっていました。気圧が下がると海面が上昇するとは、当時は知らなかったので不思議に思ったものです。

昭和28年9月17日トラック島付近で発生した熱帯低気圧は、18日には台風となり発達しながら西進し22日に本州南海上1300km付近で、897hPaと猛烈な台風となりました。25日夕刻には渥美半島に上陸しました。その後は長野県を通過して東北地方から太平洋に抜けました。

本州南岸に前線が停滞していましたので、23日から弱い雨が降り出し、台風接近とともに嶺南西部を中心に大雨となりました。小浜には北川、南川の両河川が流れ込んでいます。南川上流の中名田では23日から26日までの総降水量が700mmを越え、北川上流の熊川では367mmの集中豪雨となりました。このため下流の小浜市付近で両河川がともに堤防決壊し洪水をもたらしました。また国鉄小浜線は寸断されて、小浜市は陸の孤島のようになりました。
 
当時の被害状況は、死者行方不明者137人、橋梁流出764箇所、堤防破損737箇所などとなっています。 東海、近畿地方にも大きな被害をもたらし、北陸と合わせると、死者行方不明者478人、建物被害582,273戸となっています。

台風の経路によって福井県では大雨になるか、強風になるかが大雑把ですが区別できます。本県の東側を通過すると雨が多く降り、西側すなわち日本海を通る時は風が強くなります。

台風の大まかな進路傾向は、春先は大陸方面へ夏から秋は本邦付近へ、秋から初冬は太平洋の高気圧の後退にともない太平洋方面へとなっています。今年は4月に台風2号、5月に4号と5号、8月に11号、9月に13号と5個の台風が南海上を通っていきました。いずれも大きな被害はありませんでした。今年の台風発生数は平年に比べて少なくなっています。

1971年から2000年の30年平均を見ますと、年間発生数は26.7個、上陸数は2.6個、北陸地方への接近数は北海道についで少なく、東北地方と同じ2.2個なっています。ちなみに多いのは沖縄地方7個、奄美地方3.8個、九州地方3.2個です。

台風の進路予想を見て、風か雨の備えの参考にしてください。

【台風の番号と名前】
気象庁は1月1日以後最も早く発生した台風を1号とし、発生順に番号をつけます。2000年からは、台風が発生または影響を受ける領域の各国(14カ国)が提案した名前を順番に付けています。日本は星座名をつけていますが、13号「シンラコウ」はミクロネシアの伝説上の神です。

【台風の上陸】 
台風の中心が北海道、本州、四国、九州のいづれかに達した時を言う。