啓新―福井工大福井 初優勝を果たし喜びを爆発させる啓新ナイン=福井県敦賀市総合

 第138回北信越地区高校野球福井県大会(福井新聞社後援)は最終日の6日、福井県敦賀市総合運動公園野球場で決勝が行われ、ノーシードの啓新が延長十回、11—10で第3シード福井工大福井を破り、春秋を通じて初優勝を果たした。

 ■啓新、勢い、集中途切れず 中断、猛追越え

 勢いと集中力は、初めての決勝でも最後まで途切れなかった。啓新は1時間半を超える降雨中断、7点差を追いつかれる展開にも動じず、福井工大福井を打ち合いの末に撃破。創部6年目で県大会初優勝にたどり着き、大八木治監督は「大きなステップを踏めた」とうなった。

 互いにエースを温存し、啓新が7—1とリードした三回終了時に雨で1時間39分の中断。二、三回に適時打を放った喜屋武賢は「ミーティングをして気を引き締めた」。集中力を保ち、啓新らしさは14安打の打撃だけでなく、守りでも随所に出た。

 八回に2日連投の先発藤原直也がつかまり、捕手の喜屋武が救援。「7点差を追いつかれしんどかったけど、準決勝を初めて乗り越えた自信があったので負ける気はしなかった」。2死満塁で好打者、北川智也をこん身の速球で二ゴロに打ち取り勝ち越しを許さなかった。

 岸悠二朗の犠飛で延長十回に挙げた1点で逃げ切りを図るその裏、無死一塁の緊迫する場面で相手エンドランを読み、ボールを外し一塁走者をアウトにした。「このチームは弱かったが、洞察力を鍛えてきた。それがあの場面に出た」。春夏の甲子園で東海大甲府(山梨)を3度4強に導いた大八木監督が褒めた。

 エース牧丈一郎、藤原に続く投手の育成を課題に挙げ、「夏もう一回、決勝で対戦したい」と大八木監督。力を試す北信越大会でさらに成長し、初の甲子園出場を狙う。

 ■福井工大福井、8回一挙7点 大会のチーム66得点は大会新記録 

 今大会猛威を振るった打撃力が爆発した八回だった。福井工大福井は3—10の劣勢から打者13人、長短6安打を集めて試合を振り出しに戻した。今大会のチーム66得点は大会新記録。敗れはしたが打撃の本領を見せつけ、主将の北川は「夏につながる7点」と振り返った。

 序盤に大きく引き離され、七回までは連打のなかった打線が八回、先頭の島谷元貴の左越え本塁打で覚醒した。2死満塁から佐藤勇斗が走者一掃の右越え三塁打で流れをつかむと一気に畳みかけた。

 ただ、全体では課題も浮き彫りに。得点した直後の六、八回は内野の失策につけ込まれ追加点を許した。北川も「気の緩みが出た」と反省した試合運びのまずさだった。登板した控えの3投手を大須賀康浩監督は「ここ一番でコントロールが甘く打たれた」とし「3人目、4人目の投手に伸びてきてほしい」と奮起も促した。

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