福井城周辺で最も幅が広かったとされる「百間堀」の石垣の一部を忠実に再現した地下展示施設が福井駅西口の歩道に完成し九日、一般公開された。透明の強化ガラスで歩道を覆い、江戸当時のお堀の雰囲気を路上からうかがい知ることができる。

 石垣の再現展示は、県都の玄関口で福井の歴史に気軽に触れてもらうのが狙い。県が約五千万円かけて昨年十一月から整備し、今年三月末に完成した。

 展示場所は、駅西口正面にある加藤ビル近くの地下駐車場利用者出入り口(建設中)の西側。二○○二—○三年度の埋蔵文化財調査で見つかった笏谷石(しゃくだにいし)を用い、石垣とその背後の道路(高さ約二メートル、横約四メートル、幅約二メートル)を再現した。現在の地表面より約一メートル低かったとされる当時の石垣上面の位置に合わせ、堀の水面ラインも壁面に示した。

 この日は一般公開に先立ち、現地説明会が開かれ、地元商店街や福井市歴史語り部清明郷土歴史会のメンバーら約五十人が参加した。石垣の再現展示に関する研究会の委員長、吉田純一福井工大教授は百間堀の歴史を説明し「この石垣は、江戸時代当時の壮大な福井城と城下町の一端を垣間見ることができる貴重な資料。多くの人に見てほしい」と述べた。

 百間堀は現在の中央大通りを南北に横切る形で築かれていた。駅西口地下駐車場の建設現場は、堀のほぼ中央に位置している。

 県は年度内に、同駐車場を挟んだ歩道の四カ所に磁器タイルを埋め込み(展示施設近くの一カ所は完成済み)、約百メートルあったとされる堀幅を当時の位置のまま表示することにしている。