演奏家の育成やプロデュースを手掛ける会社を設立した山本晴香さん=福井県鯖江市

 福井県鯖江市のフルート奏者山本晴香さん(29)が、演奏家の育成やプロデュースなどを手掛ける会社「Concerto(コンチェルト)」を設立した。演奏家を育てながら演奏に携わる仕事も提供し、経済的に自立できる環境づくりを目指す。コンサートなどの企画を通し、県民に音楽を楽しんでもらう習慣を広めることで、演奏家としての仕事の増加につなげる取り組みも進める。

 山本さんは国立音楽大(東京)弦管打楽器演奏学科卒業後、東京の小学校で臨時講師を務めるなどして2013年にUターン。県音楽コンクール管楽部門の県教委賞や、第14回全日本演奏家協会ベストプレイヤーズコンクールの審査員賞、アンリミテッド国際音楽コンクール2014ファイナルの管楽部門1位などの受賞歴がある。

 Uターン後は、県内出身の演奏家によるクラシック音楽グループ「コパン」を立ち上げ、県内外で演奏活動に励んできた。グループの活動が広がり演奏の機会が増えてきた一方で、事務作業が煩雑化してきたことから、運営を効率化したり、活動の幅を広げたりするため今年1月に起業した。

 会社設立に当たり、最も強かったのは「演奏家が自立できる環境をつくりたい」という思いだったという。山本さんによると、音楽のみで生活できる県内の演奏家は多くなく、「自分で仕事を見つけて生計を立てるノウハウを共有したい」と力を込める。現在、コパンのメンバーは山本さんを含め7人で、全員が同社に所属している。演奏依頼があればメンバーらを派遣しており、依頼者の予算に応じた価格で対応している。

 週1回戦略会議を開き、仕事を獲得するためにはどのような営業活動が必要かなどを話し合っている。メンバーはそれぞれ小中学生や大学生、一般向けの音楽教室も主宰していることから、希望の楽器を習いたい受講生を互いに紹介し合っているという。

 演奏機会を増やす取り組みも進めており、その一つが昨年から企画している、0〜3歳の子どもと保護者を対象にした「育耳(いくみみ)ランチコンサート」。県民に音楽に親しむ習慣を広めることで、演奏家の仕事の増加につなげたい考えだ。

 演奏家の育成については、県内にU・Iターンする演奏家を増やしたい考えで、全国の音楽大学を通して人材を募り、同社がプロデュースする事業を思い描いている。将来的には25人ほどを演奏家として所属させたいという。山本さんは「音楽で生活する夢を持つ人を支援していきたい」と話している。

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