改修された若狭屋前で、自分たちがデザインした手ぬぐいを販売する高校生ら=2014年9月、福井県南越前町今庄(今庄旅籠塾提供)

 北国街道の宿場町として栄えた「今庄宿」(福井県南越前町)のまち並みの保存、活用に取り組むNPO法人「今庄旅籠(はたご)塾」(同町)が、地域の個性を生かした活性化や景観づくりを進める全国の団体を対象にした「第3回美(うま)し国づくり大賞」に選ばれた。同NPOの高嶋秀夫理事長(69)らが9日、福井県庁で会見し「活動を通して地域住民の意識が徐々に変わり、まちづくりの機運が高まっている。(受賞で)ますますやる気が出る」と意欲を示した。

 同大賞を主催するNPO法人「美し国づくり協会」が同日発表した。同協会は土木、建築、都市計画、造園、環境といった幅広い分野の専門家が会員で、福井県立大の進士五十八学長が理事長を務めている。今回は木や森をテーマに全国から募った。

 地元住民を中心に2009年に設立した今庄旅籠塾は、宿場町の歴史や文化、建物の構造などを調べ、催しで発信したり、行政に提言したりしている。解体が取りざたされていた国の登録有形文化財の旧旅籠「若狭屋」(江戸後期)や昭和初期の古民家を改修し、地域の交流拠点やカフェを開設。音楽会などを定期的に企画している。

 改修や催しに大学、高専の学生、工業系高校の生徒が参加。アイデアを出し、作業や商品開発・販売を手掛ける「教育支援」が活動の特色という。審査では「研究者の調査を踏まえ、住民主体で次世代継承を目指している。ハード、ソフト両面のバランスが取れている」と評価された。

 今庄宿には現在も約250軒が立ち並び、緩やかに曲がりくねった道や短冊形の区画、建物の格子窓などが、かつての風情をとどめている。

 高嶋理事長は「設立当初は空き家が増えて景観が失われる危機感が強かった。住民として、まちを愛して当たり前のことをやってきたが、近年は商店主が店舗を古民家風にアレンジするなど活動に理解が得られてきた」と語った。文化庁の重要伝統的建造物群保存地区の選定を目指しており、「受賞は選定に向けたインパクトになる。住民や町、県と一緒に活動を加速させたい」と決意を新たにした。

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