紙芝居作成を企画した織田一平学芸員(左)と原画を担当した内田地加王さん=9日夜、福井県坂井市の一筆啓上日本一短い手紙の館

 日本一短い手紙コンクール「一筆啓上賞」の由来を紹介する紙芝居の原画が完成し、福井県坂井市一筆啓上日本一短い手紙の館で展示されている。「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」との妻宛ての手紙を書いた武将本多重次と、重次の息子で初代丸岡藩主の成重を柔らかい筆致で描いた10枚。企画した丸岡文化財団は「紙芝居を通し、丸岡と一筆啓上賞のつながりをあらためて知ってもらいたい」と話している。

 重次の手紙は1575年、長篠の戦いの陣中から妻に宛てたものとされる。「お仙」は成重の幼名仙千代のことだが、妻だと思っている人が少なくないという。また、なぜ丸岡で一筆啓上賞が開かれているのかとの質問も観光客から多く寄せられることから、「文章ではなく絵で訴えた方が理解してもらえる」(同財団の織田一平学芸員)として、紙芝居を作ることにした。

 題名は「日本一短い手紙 一筆啓上物語〜お仙・本多成重のおはなし〜」。丸岡城天守に展示されているパネルのイラストも手掛けた鯖江市の内田地加王(ちかお)さん(51)に原画を依頼した。内田さんは、重次、成重の生い立ちや功績、徳川家康や豊臣秀吉と2人のかかわりなどを描いた。

 内田さんの原画に、ポスターなど一筆啓上賞の歴史を紹介する5枚を加えた15枚で構成。展示では、紙芝居の台本にもなる紹介文を原画に添えた。原画の展示は6月7日まで。

 紙芝居は、同館で開く手紙教室などの催しで披露する予定。地元小中生にも由来を知ってもらうため、紙芝居の内容を小冊子にまとめ、市内の小中学校に配る計画も立てている。

 同館は本年度から、丸岡城天守、丸岡歴史民俗資料館との共通入場券を導入している。織田学芸員は「一筆啓上賞を通して、丸岡城と手紙の館が結ばれていることを多くの方に知ってもらい、回遊性を高めたい」と話している。

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