福井信金が入手した梅田雲浜の書簡=11日、福井市の同金庫本店

 幕末の小浜藩士の梅田雲浜(1815〜59)が「安政の大獄」で捕らえられるきっかけになったとされる自筆の書簡を入手したと、福井信用金庫(福井市)が11日、発表した。幕末の激動の一端がうかがえる貴重な史料で、昭和初期から所在不明だったという。

 大老井伊直弼の幕政を批判し、後の「安政の大獄」の一因となったとされる、朝廷の「戊午の密勅」に関する書簡。井伊と近い立場にあった小浜藩主酒井忠義(ただあき)に「江戸はもちろん、天下は遠からず動転するでしょう」と危機を知らせている。

 雲浜は当時小浜藩から藩籍を剥奪されていた。後に井伊から、浪人の身ながら朝廷の機密情報を知る立場にあった危険因子とみなされ、捕らえられることにつながった。

 同金庫が3月に京都市内の古美術商から購入した。福井県史の元調査執筆委員で、地元福井県小浜市で雲浜を研究している中島嘉文さん(65)は「雲浜が小浜藩主を守ろうとしていたことがうかがえる書簡。来年の明治維新150年を前に福井県に戻ってきたのは運命的なものを感じる」と、再発見の意義を評価した。

 書簡は約15・5センチで、長さは約3メートルある。1917年に研究者によって雲浜の書簡と鑑定された。1929年の刊行物で所有者が記されていたが、その後所在が不明だった。

 福井信金は書簡を夏にも公開する予定。

関連記事