福井県越前市役所=2015年

 福井県越前市は12日、本年度の職員採用試験の申込書から性別記入欄を削除したと発表した。心と体の性などが一致しない「トランスジェンダー」への配慮として実施する。県内自治体で初の取り組み。

 大卒・短大卒程度、社会人らを対象に、5月31日まで応募を受け付けるA日程から導入。面接シートなど採用までに求める全ての書類に関し、男女記入欄を撤廃する。

 福井県市町振興課によると、県内では昨年度段階で全17市町が職員採用試験の申し込みの際に性別欄を設けていた。総務省は、47都道府県と20政令指定都市の中で、2015年度段階で横浜市が唯一、男女の記入を求めていないとしている。

 越前市は14年度から毎年、新人職員向けに性的少数者(LGBT)を講師に招いた研修を行っている。今回の削除は市の採用担当者が、LGBTの人から「性別の記入を求められると困る」との意見を聞いたことがきっかけ。市の採用試験には年間延べ400人近くの応募があり、こうした戸惑いを感じた人が一定程度いたとみている。

 市行政管理課の川崎規生課長は「本市は人物本位の採用をしているので、男女の記入は実務上も必要がない。他の自治体でもできると思うし、民間にも広がってほしい」と話している。近年は、応募時の履歴書の性別欄に男女のほか「その他」の項目を設けている企業も出てきている。

関連記事