大本山永平寺(福井県永平寺町)が整備し、藤田観光が運営する宿泊施設の完成イメージ図

 大本山永平寺(福井県永平寺町)が旧参道沿いに2019年秋のオープンを目指して整備を進めている宿泊施設の概要が、15日に明らかになった。ゆったりとした和洋室の客室18室(収容人員72人)を設けるほか、座禅体験や精進料理の提供など海外でも関心が高い「禅」の文化を快適に体感できる施設環境を整える。施設運営者の藤田観光(本社東京・瀬川章社長)が同日発表した。

 建物は大本山永平寺が建設し、全国でホテルなどを展開する藤田観光が運営することに昨夏合意。寺と結び付いた宿泊施設は全国でも例が少なく、同社が手掛けるのは初めてとなる。19年中に建物賃貸借契約を正式に締結する。同社が県内で展開する宿泊施設はホテルフジタ(福井市)に続いて2例目。

 宿泊施設は大本山永平寺の約200メートル西側の永平寺川沿いに建設する計画。木造平屋建てのエントランス棟と鉄筋3階建ての客室・レストラン棟の延べ床面積は計1947平方メートル。木造部分には同寺敷地内から切り出した「永平寺杉」を使用する。外観は門前の雰囲気を壊さないよう、寺院のような落ち着いた和のイメージで統一する。来年1月に着工し、19年6月の完成、秋開業を目指している。施設名称は未定。

 エントランス棟に最大72人が座禅体験できるスペースを設けるほか、客室・レストラン棟で提供する料理は同寺料理責任者「典座(てんぞう)」監修の本格的な精進料理を提供。また同寺での座禅などをセットにした宿泊プランも提供する予定で、「旅館と宿坊の中間」の施設に位置付ける。

 客室は約30平方メートル以上のゆとりを持たせ、ベッド、畳、トイレ、シャワーブースを完備した和洋室にする。大浴場も設ける。宿泊料金は(1室2人利用時)1人当たり1泊2食付きで1万6千円から。外国人向けに英語、中国語、韓国語に対応できるスタッフを置く。同社は年間1万2千人の宿泊客を想定している。

 境内の「吉祥閣」の宿坊(約200人収容)は、宿泊施設完成後も継続される予定。

 門前一帯では同寺、県、永平寺町の3者が門前再構築プロジェクトを推進。同寺は宿泊施設、県は永平寺川の整備、町は旧参道の石畳化や無電柱化工事を進めている。宿泊施設以外の工事は来年度中にも終わる。

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