住宅の焼け跡で思い出の写真を探す伊藤さん一家=12日、福井県鯖江市

 5月7日未明、8棟が被害を受けた福井県鯖江市の火災。住宅が全焼した伊藤正博さん(56)、眞恵さん(52)夫妻は、来年結婚する長女に家族の思い出の写真を贈りたいと毎日現場に通い、住居の残骸の中から焦げたアルバムを掘り起こした。中の写真は無事だった。「思い出と共に娘には幸せになってほしい」と夫妻は安どの表情を浮かべた。

 結婚式で使う写真を探そうと、長女真実さん(25)が富山県から帰省したのは4日。式は来年2月に予定しており、披露宴で自分の生い立ちを写真スライドで紹介したいと考えている。家族とのだんらんを楽しみ、6日に富山へ帰っていった。それからまもなく火事は起こった。

 2階建ての家は南側の壁と炭化した骨組みの一部が残るのみ。一家で市内の親族宅に一時的に身を寄せたが、心配だったのが家族のアルバム。「買い直し、再発行できるものならいいけど、思い出はどうにもならない」と眞恵さん。帰省した際、真実さんは幾つかの写真をデータにして保存していたものの、家族で撮った写真は数多い。真実さんを含めた子ども3人のためにも何とか見つけ出したかったという。

関連記事