巣の中で確認されたひな。残る二つの卵も近くふ化するとみられる=14日午前8時20分ごろ、福井県越前市中野町(県提供)

 福井県が越前市白山地区で飼育している国の特別天然記念物コウノトリのペアが温めていた卵のふ化が14日確認され、ひな1羽が誕生した。ひなは1970~71年に同市白山・坂口地区に飛来、保護されたくちばしの折れたコウノトリ「武生(コウちゃん)」の孫に当たる。県内で武生の血統のひなが生まれたのは初めて。

 県が同日発表した。同日午前8時20分ごろ、県の獣医師が飼育ケージに入り、巣の中にひなが1羽生まれているのを確認した。ひなは首を上げて「チュー」「チュー」と元気に鳴いていた。親鳥が吐き戻した餌を、ひながくわえる姿もみられた。卵は3個あり、順調なら残る二つも近くふ化するとみられる。

 コウノトリは一般的にふ化から約2カ月後に巣立ち時期を迎えるとされる。県は生まれたひなの成長具合を確認しながら、国との協議や専門家の意見を踏まえ、7月中旬以降で放鳥時期を検討する。

 県が飼育するコウノトリの「ふっくん」「さっちゃん」ペアが今期産んだ卵5個が全て無精卵だったため、兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園(同県豊岡市)から武生の“一人娘”の「紫」(22歳)が産んだ有精卵3個を譲り受け、同ペアが温める「托卵(たくらん)」を10日に行った。県内で托卵によるひな誕生は、2014、16年に続いて3回目。

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