2月24日の北半球天気図(※1)を見ますと、北極からの寒気が入り込んでいるのは、アメリカ東海岸付近で、その他に目立ったものはありません。向こう一ヵ月予報では、気温の高い確率は70%(※2)と予想しております。このことから今年の冬を、特に雪について振り返ってみたいと思います。

 今冬の降雪量合計(※3)は現在までのところ139cmです。1954年から2008年の55年間を見ますと、今年より少ない年は12回あり、特に一昨年の2007年は51cmと過去最少となっています。

※1 北極を中心に描いたもので、地球をとり巻く大気の流れや温度分布を表している。

※2 筆者の独語。季節予報で確率50%前後はよく見ますが、70%とは思い切った予想をしたものだと、感心しています。

※3 寒候年の日降雪量を合計したもの。寒候年、気象庁では寒候期は10月から年を越して3月までと定義しています。この用語から前年10月から本年3月までを寒候年と称しています。この他の期間は暖候期です。世間一般では使わない表現ですが気象予報や気象統計などに使っています。

 雪の状況を詳しく見てみましょう。

【降雪量】
今冬  平年値  平年比
11月   4cm   0cm かなり多い   
12月  22cm  36cm 平年並み
 1月 102cm 103cm 平年並み
 2月  11cm  83cm かなり少ない

【最深積雪量】
今冬   平年値
11月   2cm   0cm かなり多い
12月  10cm  21cm 平年並み
 1月  32cm  46cm 平年並み
 2月   5cm  49cm かなり少ない

 今年の雪の特徴は、11月はかなり多く、2月はかなり少なかったのですが、寒候年を通して見ると平年並みといえましょう。11月から1月までの気温・降水量・日照時間を見ますと、日照時間は11月は少なく12月はかなり多くなり1月は平年並みでした。トータルでは平年並みです。降水量は1月が少ない他は平年並み、気温は平年並みでした。

 雪がまとまって降らなかったことと、降る量が少なかった事から、異常気象ではないかと聞かれますが、データを見る限りおおむね平年並みの冬でした。

 一方、1月の世界の異常気象レポートを見ますと、異常高温を観測した個所が52に対し、異常低温は16個所と少なく、異常少雨の28個所に対し異常多雨は44個所となっています。地球の温暖化の特徴の一つが高温多雨です。温暖化が進んでいることは明白であろうと思います。

 冬の日本海側では、低気圧の前面で一時晴れますが、高気圧圏内に入ると寒気と日本海の高水温により時雨になります。また、大陸高気圧の一部が移動して日本付近を覆うと晴れますが長続きはしません。冬の高気圧は地面が冷えて空気が圧縮されてできた地形性の高気圧で、対流活動は上空三千メートルから五千メートルの範囲です。

 冬のシベリアや北アメリカ大陸で形成されます。背の低い高気圧と呼んでいます。一方、背の高い高気圧は上空からの下降気流で出来るもので、赤道付近で一万メート
ル以上に上昇した気流が、南北に分かれて中緯度で下降する規模の大きなものです。太平洋や大西洋に年を通じて形成されています。

 春に移動してくる高気圧は上空の気圧の尾根によるもので、冬の高気圧と性格が違います。日本海を低気圧が通った後に顔を出してきます。東西に大きく広がり晴天をもたらします。高気圧の中心が通った後は上層雲が広がり花曇りになり、気温も上昇して桜の季節へと向かいます。

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