マーケットの上げ下げの周期と同様に投資家の心理にも周期があるのをご存知だろうか。

 私のセミナーでもこの話をすると「そんなことは分かっているから早く売買手法を教えてくれ!」という顔をする人がいるが、そういうほとんどの個人投資家がこの罠に陥っていることが多い。

 セミナーにくる投資家のなかには、自分が保有している株がこれから上がるのかどうかの情報を探しにきていることもある。これは実際にあった話だが、過去にトレードセミナーを行ったときのことだ。

 1時間の講義を6回に分けて3ヶ月の期間で行ったのだが、その最終日が終わった直後に受講者からこんな質問をされたことがある。「実は、○○銘柄を保有しているのですが、これからこの銘柄は上がるのでしょうか?」

 次に、サブプライムローン問題の下落で損失を受けた相談者の話だが、「こんなに下げたのですから、もう底ですよね?」と質問をされた。そのときダウンラリーの真っ最中であったが、何とか上がってくれるという情報が欲しかったのだろう。

 気持ちは充分に分かるが、私のトレードシステムではその日「空売り」のサインが出ていた。

 その相談者がいうには、有名で偉いアナリストのセミナーへ行って、「もう大底だ」と聞いてきたそうだ。この世界に絶対はないと話をしたのだが、その相談者は「偉いアナリストが言うのだから絶対です」と怒って帰っていった。

 その後、さらに下落して残念なこととなったが、何とか損切りができたのだろうか。

 この話を聞けば、自分だったらいかにも簡単に上手くやってのけると誰もが思うのだが、聞くのと実際とは大違いで、これがなかなか抜け出せない。人というのは自分を否定されるのは嫌な生き物だ。

 もし自分が考えたポジションと反対方向に株価が動き、マーケットが自分を否定したなら、誰もが苦痛を感じるはずだ。

 では損失のサイクルの図をみてみよう。

1、株価が上がっている。よし、これを監視しよう。

2、上昇基調が続いている。株価が横ばいになったところで買ってやろう。

3、しまった、買い場を逃してしまった。これ以上待ったら好チャンスを逃して
しまう。よし、ここで買いだ!

4、買いは正解だった!

5、株価が少し下げている。買い足しチャンスだ。

6、よし、ここで株数を倍に買い足しだ!

7、しまった、買い足すべきではなかった。反発したところで売り逃げだ。

8、信じられない、こんなところまで下げてしまった。ここが底だ。

9、とにかく反発を待つだけだ。長期勝負になるかもしれない。

10、株価はこんなことになっているのに、証券取引委は何もする気はないのか!?

11、ここが限界だ。持ち株は全て処分だ。

12、売りは正解だった!

13、単なる一時的な上げだ。直ぐまた下がる。

14、思ったとおりだ。

15、何だ??

16、おいおい??

17、バカな奴らだ。こんな上げに騙されるなんて!

18、こうなることは最初から分かっていた!

19、仕方ない、ここで買いだ。この株価なら、まだ前回の買い値より安い。

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