左から慈童、思惟童、智童。

左から五台童、賢童、益童。

 仏童は私の造語です。仏像を子供の形で表現してみたら? 仏像は飾っておくには 何かもったいなくて、バチが当たりそうで どうしたらよいのか困ってしまう。その様な言葉を多く聞きます。それで、気遣うことなく身近に飾っておける。そんな親しみやすい仏像を作りたい、との思いで作り始めたのがきっかけでした。作り始めてみると、その愛らしさに魅せられ、かなりの数の作品を作りました。
            
            
◆慈童(じどう)

仏童として最初に作った作品です。元の仏像は観音菩薩。慈しみの仏像ですから、「慈童」と名づけました。菩薩像なので装飾品を身に着けています。冠、天衣を着けていますから一層かわいく、親しみやすくなりました。この形でしたら、机の上、棚の上にちょっと飾って置けます。

◆思惟童(しいどう)

見てのとおり、弥勒菩薩(みろくぼさつ)を童の形にしました。弥勒菩薩の半跏思惟(腰掛けて思いを廻らせている姿)のポーズに魅せられた方は多いことでしょう。それをふっくらした童の形にしたものですから、一層魅了されるようです。腰掛けているハスの台も、普通は八弁ですが四弁に作りました。

◆智童(ちどう)

元の仏像は大日如来。智拳印を結んでいますから、それと分かります。何しろ、曼荼羅の中心に描かれる天地創造の仏様です。智恵の仏像ですから「智童」と名づけました。威厳あるように眼を鋭く、それでいて温かくなるように気を遣いました。

◆五台童(ごたいどう)

元の仏像は文殊菩薩です。文殊菩薩は五台山に住んでおられますから「五台童」と名づけました。五つに結う髪型、宝剣とハスの花を持っています。しかし、いくら文殊菩薩でも子供の頃には考えごとの間には眠くなって、居眠りぐらいはしただろう。それで、遊び心を加えてこの形になりました。

◆賢童(けんどう)

釈迦如来の脇侍は文殊菩薩と普賢菩薩です。文殊菩薩を作ったからには普賢菩薩も作らなければなりません。普賢菩薩も子供の頃は 修行に疲れたら気晴らしに空を見上げ腰掛けて足をぶらぶらさせ、気晴らしぐらいはしたことでしょう。それでこの姿になりました。手には仏具を持っています。

◆益童(えきどう)

元の仏像は薬師如来です。掌に薬壺を持った仏像をご覧になった方は多いことでしょう。あの壺の中には何が入っているのか? 何方でも思うことでしょう。薬師如来だって、子供の頃はこの誘惑には勝てなかったことでしょう。ついふたを開けて覗き込んでしまった!? 実際、何が入っているのでしょうね?

まだまだ「仏童」は作れます。仏像の数だけ作ることができることになります。仏像の数は非常に数多く、森羅万象 世の中の全ての事象に即した仏像が作られています。全部を作るなどとはとても出来ることではありません。六本腕のある阿修羅と愛染明王が、じゃんけんをしたら勝負が付くのかな??

お互いがグー・チョキ・パーを出していたら、何時まで経っても同じこと。千手観音が「アヤトリ」で遊びだしたらどうなるのだろう?? 一度に何本の紐を使うのだろう? いくら観音様でもわけが分からなくなるだろうナァー。

「作る」の次は、工夫して思いを込め「創る」。それから先は「遊び心」を加える。すると、見た方達にも微笑を持って 親しんで頂けるのではないでしょうか。そのような気がします。

文頭に仏像は飾っておくのがもったいなくて「バチ」が当たったら・・・と記しましたが、「遊び心」いっぱいで創ることがもっともバチ当たりなことかも・・・ 

「彫る仏師 彫った仏に 叱られる」

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