福井測候所の玄関を入り、左側の廊下を行くと突き当たりに地震観測室があり、そこを右に曲がると気象観測現業室があります。玄関の右側は事務室になっており。玄関の腰板には、「昭和34年9月26日の浸水跡」と白ペンキで書かれていました。これは、伊勢湾台風の大雨で、測候所の横を流れる荒川の氾濫によるものです。この建物は昭和20年に戦災で焼け残った古材を集めて作ったもので、昭和51年に現在のものに建て替えられました。気象台の玄関前駐車場には「平成十六年七月福井豪雨・・・」の記念碑があります。防災を旨とする気象台は度々水害に見舞われました。

 福井県で近年特筆される気象災害は、嶺南地方で大きな被害をもたらした昭和28年の「台風13号」で、死者・行方不明137名、家屋流出296棟です。「伊勢湾台風」も大きな被害をもたらしました。平成18年の福井豪雨はやっと傷跡が修復されてきました。また、冬季では「38豪雪」や「56大雪」があげられます。

 日本はインドや東南アジアのような、はっきりした雨季はありません。強いて言うならば、梅雨と秋雨と台風で、日本海側では冬季の降雪でしょう。

 伊勢湾台風(15号)から今年で50年目を迎えました。死者・行方不明5000名余の多くは、伊勢湾の高潮による溺死者でした。福井県は大野郡和泉村(現大野市)で九頭竜川が氾濫して、死者・行方不明20数名。若狭地方山間部では200mmを越す豪雨があり、南川・多田川が氾濫して、家屋の全壊・半壊等大きな被害となりました。また、福井市を流れる荒川の増水と、足羽川から荒川への逆流により、豊島地区から福井駅南商店街に浸水しました。

 今年は台風3号が6月24日に九州を横断して本州南岸沿いに進み、房総半島をかすめて太平洋に抜けました。9月30日マーシャル諸島付近で発生した台風18号「メーロー」(マレーシア語でジャスミンの意味)は、10月8日の早朝愛知県の知多半島付近に上陸して本州を縦断し、宮城県から太平洋に抜けて北海道東方海上で温帯低気圧に変わりました。台風18号の進路が、50年前に紀伊半島に上陸し東海地方に大惨事をもたらし、富山湾へ抜けた「伊勢湾台風」に類似していることから、防災対策には万全をきしていました。
     
 和歌山県で新聞配達人のバイクが、倒れた樹に衝突して死亡しました。また、埼玉県では折れた木に当たった男性が死亡しました。全国的には22都道府県で114名が負傷しました。台風の接近に伴い関東地方では竜巻が発生して多くの家屋が被害を受けました。茨城県土浦市と竜ヶ崎市では、12人が重軽症、住宅16棟が全半壊、211棟が一部損壊しました。千葉県九十九里町と山武市の海岸沿いでは、5棟が全壊し55棟に被害が出ました。