福井市は平年より15日遅く12月16日に初雪を観測し、冬らしい天気になりました。今年の秋以降、極東の空気の流れは、ほぼ緯度線に沿って流れており、南北への蛇行(※1)が少ない状態でした。

 北半球の天気図を見ますと沿海州とバイカル湖付近に強い寒気あり、これが雪を降らせています。このような状態は20日ころまで続きます。その後数日は気圧の峰になり一時暖かくなりますが、その後ウラル山脈付近の強い寒気が極東に入ってくるでしょう。また、アラスカやカナダ北部にも強い寒気がありますが、北極圏は大西洋からの強い峰になっており暖かくなっています。

 気象台では雪が降ると、積雪量と降水量を計ります。降水量は50年前は雪を溶かして雨量升で量りました。「38豪雪」当時の福井地方気象台長は研究熱心な方で、降った雪を即座に溶かして計る方法を模索していました。例えばヒーターを使ったり、ヒーターで温めた温水を使ったりです。問題点は蒸発をいかに少なくするかでした。この研究を元に改良を加えて、現在の温水式雨量計(※2)が作られ、全国で使われています。

 「38豪雪」の最新積雪213cmは人間の目線よりはるかに上になります。どのようにして計ったのか聞かれたことがありました。気象台の観測する場所は一切除雪しません。当時は百葉箱(温度計と湿度計を収める風通しのよい小屋、現在は観測方式が変わり、使用していない)が雪に埋もれてしまいますので、観測する戸口まで、人一人通れる程度除雪しました。一方、積雪量は雪面に腹ばいになって雪尺を読み取りました。多雪地帯の新潟県上越市高田測候所は毎年大雪になりますので、百葉箱が上下して雪面より上に出るように作られていました。

 大雨や大雪は日々の生活を脅かしており、招かざる現象です。降雪が多くなると除雪が日課となり、乾燥注意報の出ている太平洋側を恨めしく思います。しかし、雨にしても雪にしても、日々の生活に欠かすことの出来ない貴重な水資源です。自然界はタダで資源を運んでくれています。恨むより感謝ではないでしょうか。