クラレットと聞いて思い出すのは1971年に公開された映画「007 ダイヤモンドは永遠に」。と言っても、リアルタイムでは見ていませんから…。人工衛星にダイヤモンドを使って殺人レーザーを作るという007ならではの荒唐無稽なお話。映画公開の3年前にアポロ11号が月面着陸をした時代でした。

 世情を先取りして月面車でカーチェイスがあったりする訳ですが、映画好きな人にとっては現実味に乏しすぎてあまり面白くなく不評を買った映画だそう。私は結構、ラストに興味があってそれだけでお腹いっぱいという感じでした。

 ラストシーンの舞台は船上のレストラン。美しいボンド・ガールとのディナーです。ニセのソムリエになりすました殺し屋がシャトー・ムートン・ロートシルトの55年を運んできます。「コロンが強いな」とショーン・コネリーが演じるボンド。まず、ソムリエはワインの香りを殺さない為に原則としてよけいな香りは付けません。既に失格。

 次はソムリエの腕の見せ所である抜栓。ところがニセソムリエなのでガスを注入するコルク抜きでプシューとかやっています。かっこ悪う~でまたまた失格。別に何で抜こうが構わないのですが、優雅にラギオールかライヨール。またはドライザックなどのソムリエ・ナイフで抜いてほしい場面なのです。ガス注入式はガスが入っているワインに使うと爆発して危険らしいし…。

 そして次は知識。ムートンを前にしてボンドは「このワインは料理に合わないのでクラレットがほしい」「あいにく、当船にはクラレットは積んでおりません」とニセソムリエ。そこで「シャトー・ムートン・ロートシルトこそ代表的なクラレットだ」と大見得。ここからお約束のアクション・シーン。最後に殺し屋は船の外へドボーン。でも55年のムートンの行方はどうなったのでしょうか? 乱闘で割れたんじゃないでしょうね。ドキドキ。

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