シュツットガルトの郊外の自然豊かな林の中にあって、その裏庭の林の中には、流れのなかで水が活性化されるといういくつものフローフオームや、ハーブとか薬草の農場があってその研修所までもあるという「ヨハネスハウス」と、シュツットガルトの街中に立つ「ニコラス・クザヌス・ハウス」では、同じ人によって設計されたということですが、施設に入って受ける感じは大きく違っておりました。

 しかし、その両施設の根底には、共通して毎日の暮らし方のなかに、より生き生きと暮らせるための芸術活動やすばらしい舞台のあるホールでの外部社会にも開かれた公演活動や、終生生きがいを持って生活できるような「人間の尊厳を守るための日々のプログラム」があり、年寄りだから何もできないので快適で、安楽に過ごせることに焦点があてられている施設とは明らかな違いがありました。

 ドイツにあってはそうした「施設」において。日本にあっては「五世代家族同居」の家族のなかで暮らすおばあさんのように、人間、命のある限りその人に応じた役割があってそれを果たす中にその人なりの生きがいがあるという暮らしのなかに“人間への本当の尊厳”があるようにおもえました。

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