ツバメが我が家の玄関の中に巣を作りたがっているのを知って、一番に心配になったのは巣立ちまでにどれくらいかかるかでした。下市のミルキングコースをたどったとき、鳥に詳しい方も同行してくださっていたのでお聞きしたところ‘6月いっぱいはかかるでしょう’とのことでした。2ヶ月あまりの辛抱です。

 まさにその予告どおりでした。6月30日、きっちりとすべての雛鳥が巣立ち、巣立ったあとは再びその巣をねぐらとするために戻ってくることはありませんでした。日中時々玄関の中まで賑やかな鳴き声で入ってきてはいたようですが。

 それからしばらくの間は、「サラナの家」の前の電線に5羽のツバメが家の中にいても聞こえるくらい賑やかにさえずりながらとまっていました。出てみるとやはり飛ぼうとしない雛鳥なのでしょうか。親鳥につつかれ、促されて勇気を振り絞って?さらに飛行力を伸ばす練習をしているかのように思えました。

 2羽の親鳥が安全な場所を求め、それでも危険にさらされながらせっせと巣をつくり、大事に温めて雛をかえし、成長して巣立つまでの日に何回ものえさ運び。そして雛の巣立ちにはきちんと親鳥として飛び方のお手本を示し、自力で生きていけるまでの本当の巣立ちにいたるまでの見守りと指導。その行程を間近にし、こんな小さな鳥でも、子育てで基本的に大切ないくつものことがきちんと行われているのです。それは本能的に行われていることなのかもしれません。しかし、人間の子育てにおいても、特にその幼児期の子育ちに最も大切な、家庭(巣)という空間の中で、親の愛に包まれ、守られ、温められ、成長に必要な食べ物が与えられ、親の模倣を通して自立への導き。

(次ページへ続く)

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