しかし、それらのものも商品化されて手軽に購入できる現代では、たとえ「手作り」と書かれていても、手間を省くためにいろいろな化学物質が混入していたり、2~3年のおいしくなるまで‘寝かす’という日数が省かれてしまっているのです。そうしたものが味噌だと思って育ち、育てられているのです。

こうしたことに何が良くて何が悪いという良し悪しを簡単に言うことはできません。しかし、その結果植えつけられてしまっている意識の違いというものを痛切に感じないではいられないのです。

人生は日々、それぞれの人の小さな選択の積み重ねのように思えます。その選択がどれだけの深さから、何を基準にしてなされているのかもまた様々です。

しかし、便利であればいい、楽であればいい、口当たりがよくて、おいしければなんでもいい。このような選択の差は、20年先になってしか表れてこないことなのかもしれません。物事には必ず裏返しというものがあって、子どもの育ちにおいてもその選択の差が大きな違いとなって、いつか表出してくるのです。

日ごろ私たちは、あまり意識することなく選択していますが、その良い、悪いの尺度となっているものは、何にどれくらい馴染みになっているのか、その深さに依っている場合も多いのではないでしょうか。

目に見えないことは無いのではないのです。今は目立っていなくとも、いろいろなことが関係しあって巡りめぐって時を得て表出してくるのです。

(次ページへ続く)

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