前回に続き福井新聞の記事を引用します。2月10日の26面に「本県大雪由来は北欧」とあり、7千km離れた所の気圧の変化と日本付近の寒気の流入を相関づけた論文の一部が紹介されていました。

このように遠隔的結合作用のことを「teleconnection」と云います。この思考は18世紀後半、あるデンマーク人の日記にデンマークの冬が寒いとグリーンランドは暖かく、その逆もあると記されていまた。20世紀に入りビヤークネス(※1)「teleconnection」の大まかなメカニズムを示しました。

グリーンランドは地球で一番大きな島で、北海道の約27倍あり、デンマーク領です。アイスランドより北にあるのにグリーンランドとは・・・、かつてバイキングが漁業や交易で海洋を往来していたころは緑豊かな島だったそうです。

「teleconnection」と呼ばれているのは、前回紹介した北極振動、南極振動、エルニーニョ・南方振動(※2)、半球間振動など数多くあります。いずれも気象研究者が天気図などのデータを調べてと探り当てたものでしょう。

地球を取り巻く大気の流れは連続的で大気温度を調節するように、南北に蛇行しています。このため天気は周期的に変化し、寒暖を繰り返しています。数千km離れた振る舞いが影響しあっています。ただし、南半球は海洋がほとんどですので、気流の南北蛇行は大きくありません。

今冬の最深積雪量は、武生は1980年以降、今庄は1989年以降の1位でした。観測地点の変更により統計が切断(※3)されたためで、地域での観測値は1900年頃からあり、これと比較しますといずれも4位となります。図は県内の最深積雪を平年値(※4)(1981年-2001年)と比較したものです。

(※1)ヤコブ・ビヤークネス ノルウエーの気象学者で1919年に「移動性低気圧の構造」を発表し、近代気象学の基礎を作った。1940から米国カリフォルニア大学教授1975年没。

(※2)南方振動 南太平洋のタヒチ島とオーストラリアのダーウィン (距離8千km)との気圧差がエルニーニョと相関がよい。

(※3)統計切断 観測点が3km以上、標高差が50m以上移動した場合、統計値は継続しない。

(※4)平年値 10年ごとに過去30年の値で計算。気象庁は新平年値の使用予定は5月頃としているため、筆者が独自に資料に基づいて新しく計算したものを使用。

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