瑞源寺は、福井市民憩いの山、足羽山の麓に位置し、秋には萩の寺として知られる千年余の歴史を持つ古刹。特に、越前藩主松平家の菩提所、福井城御殿を移築して立てられた寺院として知られています。

その建物が古くなり、傷みも激しくなったので修復されることとなりました。この機会にご本尊である十一面観音像も修復される事になりました。

像は極めて優れた造りでした。内繰りに拭き漆が施されていましたから、丁寧に造られたことが分かります。材料は、檜、寄木造、玉眼、漆箔、彩色されています。漆箔、彩色の剥離欠損部分はありますが、造られた当時はさぞかし荘厳華麗な像であったろうと推察されます。

道元禅師が持ち帰った仏像を、本尊として迎えたとの言い伝えがあるとの事です。その後、三度火災に見舞われ寺院は焼失しているとのことです。

この仏像がそれとは思えません。900年も経た古いものとは思えませんでした。江戸時代初期頃に作られたもの、台座と光背は仏像より新しいかもしれません。年代を決定する明確な証拠はありませんでしたが、作り方・木の状態からそのように推察しました。

山の麓、湿気の多い場所にあったにもかかわらず、何処にも腐り・虫の害が無かったことは好運なことと言わねばなりません。

縁あって修復させて頂ける事になり 直接手に取って一つ一つ観察できる機会を得たことはありがたいことです。像がどの様な状態であったのか。どのように修復したのか。  そしてどのように変わったのか。記録しました。
 

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