水蒸気を含まない乾燥空気の組成は、上空から地表までほぼ一様で、窒素は78%、酸素20%、アルゴン1%、次は二酸化炭素0.03%(化石燃料の消費で年々増えています)、以下微量ですがネオン、ヘリウム、メタン等です。

乾燥空気に含まれる水蒸気量は少量ですが、場所と時間によって変化が激しく、相変化(※1)を繰り返しています。大気の温度によって大気が含み得る水蒸気量は異なり、気温が高いと多く、気温が低いと少なく、最大に含み得た時を飽和水蒸気と言います。

飽和水蒸気を越える事は無く、水蒸気が飽和に達すると余分な水蒸気は気体から液体に変わり、雲が出来て発達すると雨になります。大気中の水蒸気の絶対量は、混合比(※2)や比湿(※3)で表します。単位体積の湿潤空気内の水蒸気量を絶対湿度といいます。

一方、湿潤空気内の水蒸気量と、その温度における飽和水蒸気量の比(%)で表したのが相対湿度と言い、単に湿度と言っています。

(※1)相変化・・・物質の三相 固体・液体・気体
(※2)混合比・・・湿潤空気の水蒸気量と残りの乾燥空気量との比。
(※3)比湿・・・湿潤空気に含まれている水蒸気量の全湿潤空気量に対する比。

湿度の測定方法は約百年前にドイツの気象学者アドルフ・スプルングが熱力学的方法で、乾球温度計と湿球温度計の示度から水蒸気圧を算出して求める「スプルングの式」を考案し、気象台で長く使われました。

また吸湿体の変形による方法として女性の毛髪の湿度に対する伸縮を利用した「毛髪湿度計」は連続測定が出来るので、自記記録装置に接続し観測測器として気象台で長く使われましたが、毛髪のため精度は十分ではなく、乾球・湿球温度計方式と併用して使われました。

またドイツのランプレヒト社考案の毛髪湿度計「ポリメーター」は毛髪10本程度を束ねたもので、温度計とセットになっており相対湿度と露点温度も求められ、水蒸気分圧も求めることが出来ました。

気温0℃の飽和水蒸気量は4.8g、同じく10℃は9.3g、20℃は17.2g、30℃は30.4g、40℃は51.2gというように温度によって変化します。梅雨時期の室内気温30℃、湿度100%のとき、エアコンで20℃まで下げると1立方メートルの湿潤空気は30.4g-17.2g=13.2gの水が排出されます。

実効湿度は火災予防の目的で数日前からの相対湿度に経過時間の重みをつけて算出した、木材などの乾燥度を表す示数です。実行湿度が50~60%以下になると火災発生の危険性が高まり、気象台は予想される最少湿度を勘案して乾燥注意報を発表しています。

近年気象台が使用する観測測器は、気圧計はフォルタン水銀気圧計(水銀の比重約14の重さを利用)から半導体を用いたセンサにより気圧をデジタル信号として出力・記録する電気式気圧計に。水銀温度計(水銀の熱膨張を利用)は温度に対して白金の電気抵抗値の変化を測定する電気温度計に。湿度計は相対湿度の変化に応じて高分子膜に含まれる水分の量が変化し、これにより誘導率が変化することから相対湿度を測定する電気式湿度計へと進化しています。