前回までは観測器と送信機を付けて飛ばすレーウインゾンデとロケットによる観測を紹介しました。今回は地上からの観測です。気象庁はロケット観測を中止した2001年から局地的気象観測システム「ウインダス」(※1)の運用をはじめました。

国内のラジオゾンデ観測所は18カ所に対して、ウィンドプロファイラ(※2)観測所は31カ所。福井地方気象台の構内にも設置されています。写真は気象台構内を映したもので、左側のドームが電波発射のアンテナ建屋でドーム頂まで地上6mほどあります。その隣は送受信装置やデータ処理部などがある観測局舎です。

ウィンドプロファイラは上空に向けて5方向に1357.5MHzの電波を発射して、大気中の風の乱れなどにより散乱して戻ってくる電波を受信、処理することで、上空の風向・風速を測定します。地上にもどって来た電波は大気の流れに応じて周波数が変化しますので、発射した周波数との違いから風の動きがわかります。

ウィンドプロファイラは24時間運用しており、10分間隔で上空の風を高度300m毎に観測します。観測できる高さは晴天時で上空3km~6km、降雨時は7km~9kmまでです。降雨時は雨粒の動きが観測できます。雨粒は大気の流れに乗っているので風向・風速がわかります。鉛直方向は雨粒の落下や上昇速度となります。

これらの資料は豪雨・豪雪などの大きな災害をもたらすものや、竜巻など狭い地域に発生する現象の発生、発達などの推移を把握するのに役立っています。また、ラジオゾンデの資料とともに数値天気予報のデータとして欠くことのできないものとなっています。

観測された結果は現地の予報作業室で見ることが出来ますが、全国31カ所のデータは気象庁の中央監視局に集められて品質管理の後、気象資料総合処理システム(※3)を経てリアルタイムに民間気象会社や、国際交換のために海外へ発信されています。各種の気象観測データを国内外から集めて、大気の状態を解析・予測して、その結果を国内外に配信しています。

※1 ウィンドプロファイラ (Wind Profiler 風の側面図)
※2 ウインダス WINDAS(Wind Profiler Network and Data Acquisition System) 全国31か所の観測所と中央監視局のネットワーク
※3 気象資料総合処理システム COSMETS(Computer System for Meteorological Services)

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