今年3月27日午前8時半ごろ、栃木県那須町湯本のスキー場付近で雪崩が発生し、積雪をかき分けながら歩く「ラッセル」の訓練をしていた「春山安全登山講習会」参加者62人が表層雪崩に巻き込まれて48人が死傷、うち8人が帰らぬ人となりました。安全登山講習会が雪崩注意報発表中に訓練を行い災害に遭ったのには多くの疑問を感じます。

福井市では観測史上初めて213cmの最深積雪を観測した38豪雪の年です。1月25日の昼ごろ、勝山市横倉小学校の職員室で校長先生と教員2名が昼食を取りながら、一夜で約2mの新雪があったので「アワなだれ」(※)の危険があると話し合っていた時、近所の6年生の生徒が息せき切って駆けつけ、「先生あわや」と叫んで入って来たと同時にゴーと言う地震の様な地鳴りとともに雪崩が襲ってきました。

雪煙を立てて落ちてくる雪崩は、さながら大洪水のようで猛吹雪の中、着のみ着のままで逃げ惑う住人、押しつぶされる民家、木などはなぎ倒され一瞬のできごとで、さながら生き地獄のようであったと住民は話していました。学校近くの公民館や民家が跡形もなく押しつぶされ、集落の形はすっかり変わってしまいました。雪崩れに襲われたのは500m四方にもなりました。

昭和38年1月25日午後0時半に勝山市横倉集落を雪崩が襲い19人が生き埋めになり11人が亡くなった時の事です。雪崩に巻き込まれた4歳の男児は、わずかな隙間の中で生き延びて25時間後に奇跡的に救出されました。

小生は横倉集落への通行が可能になった頃上司と現地調査に行き惨状を目の当たりにしました。勝山市横倉集落は福井と石川の県境にある大日山の麓で、昭和2年にも雪崩で一家4人が亡くなっています。

同じくこの年に美山町芦見地区で1月26日午後2時半頃に雪崩が発生し、下校途中の教頭先生と生徒8人が巻き込まれ、生徒5人が救助されましたが4人は不明となる事故がありました。3月の降水量は全県で少なくなりました。気温は嶺北海岸部で平年並み、その他は低くなりました。日照時間は全県で10~20%多くなりました。降雪量は大野と武生が多くその他は少なく、2月に大雪になった小浜は1cmと極端に少なくなりました。

北陸地方の一か月予報は平年並みですが、4月上旬は気温が一気に上がり花見の到来になると思います。

※雪崩には積雪が地面との界から全て滑る「全層雪崩」と、積雪の上に新たの降った新積雪だけが滑る「表層雪崩」があります。春山で山肌が樹木もなく地面が露出している斜面は全層雪崩の痕跡です。