福井県内の強風記録と観測以来の順位

低気圧が通過した観測所の海面気圧のグラフ

急激に発達する低気圧を「爆弾低気圧」と呼ぶのは三十数年前にさかのぼります。1978年9月に豪華客船クイーン・エリザベス2世号(略してQE2)はイギリスからニューヨークに向けて大西洋を航行中、予期しない高さ10mを越す大波に襲われ、船体の一部が破損しました。

また同じころ、この低気圧の近くを航行していたキャプテン・コスモというトロール漁船が沈没し、船員・船体ともに発見されませんでした。同じくこの近くを航行していたタンカー・ユーロライナー号の気圧計は午前0時に約1000hPa(ヘクトパスカル)であったのが15時間後には956hPaまで下がっていました。

その後の調査により、この暴風雨はわずか24時間に中心気圧が60hPaMも下がる急速に発達する温帯低気圧に伴っておこったことがわかりました。当時の米国海洋大気庁(日本の気象庁に該当)はこの急速な発達を予測できなかったのです。以後この低気圧は「QEⅡストーム」と呼ばれるようになりました。

こうした急激に発達する温帯低気圧はどこで発生・発達しやすいのかを調査するのに、24時間にわたって低気圧の中心気圧が24hPa以上下降したものという基準をつくり、これに該当するものを「爆弾低気圧」と呼んでいます。太平洋と大西洋の西部で発生しやすいことがわかりました。

今回の低気圧に伴う暴風情報は気象庁から繰り返し発表されて被害の軽減に寄与しました。低気圧については4月7日付福井新聞紙面の1面に気象庁気象研究所の解析結果が、そのメカニズムも含めて詳しく解説されています。

表は福井県内の強風記録と観測以来の順位です。また、下の図は低気圧が通過した観測所の海面気圧のグラフです。急速な気圧下降が見られたことが分かります。