桜満開の4月22日(日)は春の嵐に見舞われ、4月に入って2度目の強風でした。嶺南地方の美浜町では最大瞬間風速(※1)が32.9m/sを記録し観測以来の1位となりました。

最大風速(※2)14.6m/sで観測以来5位でした。この強風でトラックの横転や列車運休、停電などの被害がでました。第1図は最大瞬間風速の観測以来大きい方から10位までの敦賀と美浜における月別発現回数です。両観測所の距離は約15kmですが地形の影響で敦賀は秋の台風期に多く、美浜は春に多くなっています。

※1最大瞬間風速 読んで字のごとく瞬間の風の強さです。
※2最大風速 10分間連続して観測したものを600で割って秒速にしたものです。

前回4月3日の強風は爆弾低気圧によるものでしたが、今回は高気圧の居座りによるものです。4月21日21時の気圧配置はオホーツク海から本州にかけて気圧の峰になっており、北海道付近に高気圧があり中心気圧は1030hPaでした。

高気圧の勢力は強く(※3)、その範囲は東西3000kmに及ぶものです。それに対して低気圧は黄海と東支那海にあって中心気圧1004hPaで、高気圧の居座りでほとんど動けず、24時間後には1010hPaと弱まっています。このような高気圧の後方流を気象の現場では「バックカレント」と呼んでいます。

※3高気圧の強さ 等圧線で囲まれた大きさ(冬のシベリア高気圧)や上空まで暖かく背の高いものを指します。

第2図は22日の福井と島根県松江の気圧変化図で1000hPaは省略しました。6時には福井は1015.7hPa、松江は1005.4hPaで気圧差は10.3hPaとなります。

松江の位置は北緯35.5度、東経133度。福井は北緯36度、東経136度でほぼ同緯度です。また経度差は約3度です。これを基に地衡風(※4)を計算しますと、経度差は3度で気圧差は約10hPaですから、風速27m/sとなります。この気圧差が強いバックカレントを吹かせました。

※4地衡風 等圧線が平行で、摩擦や加速度が働かない時は空気に作用する力は「気圧勾配」と「地球自転偏向力」で、この両者がつりあって吹く風です。計算表があって北緯35度で経度1度に対し1hPaの時は9m/sとなっています。