平成25年5月31日に「気象業務法及び国土交通設置法の一部を改正する法律」が公布されました。気象台は注意報・警報・気象情報を発表していますが、本年8月30日から新たに「特別警報」が追加されます。特別警報の発表基準は都道府県知事及び市町村長の意見を聴いて決めています。

  「東日本大震災」では大津波警報などを発表しましたが、必ずしも住民の迅速な避難に繋がらなかった例や、重大な災害への警戒を呼びかけたものの、関係市町村長による適時的確な避難勧告・指示の発令や、住民自らの迅速な避難行動に必ずしも結びつきませんでした。災害に対する気象庁の危機感を伝えるために「特別警報」を創設することなりました。

 特別警報の発表基準は数十年に一度起こる現象です。気象庁は平成3年から22年までの20年間分の観測データを用いて、50年に一回程度の頻度で発生すると推定される降水量(48時間降水量と3時間降水量)及び土壌雨量指数(※)の値を求め、これを大雨特別警報に用います。「50年に一度の値」は日本全国を5km四方に区切った領域(「格子」と呼びます)ごとに算出してあります。予想される大雨により「50年に一度の値」を超える格子がある程度の範囲で出現するかを、大雨特別警報の指標としています。おおまかですが福井県の各市町村で3時間雨量が100mmを超えるか、2日間の雨量が300mmを超えるような時は特別警報の対象となります。「平成16年7月福井豪雨」は特別警報に該当します。

(※)土壌雨量指数 降雨による土砂災害発生の危険性を示す指標で、土壌中に貯まっている雨水の量を示す指数。

 台風等を要因とする特別警報の指標は中心気圧930hPa以下、風速50m/s以上としています。沖縄や奄美地方及び小笠原諸島は中心気圧910hPa以下、風速60m/s以上としています。

 特別警報について「大雨」と「台風」を説明しましたが、このほかに「暴風」「高潮」「波浪」「暴風雪」「大雪」「津波」「火山噴火」「地震」の運用が始まります。特別警報が対象とする現象は、18000人以上の死者・行方不明者を出した「東日本大震災」や、5000人以上の死者・行方不明者を出した「伊勢湾台風」などです。

 「注意報」は災害の起こるおそれがあるときに、「警報」は重大な災害が起こる恐れのあるときに発表されます。「特別警報」は警報の発表基準をはるかに超え、重大な災害の危険性が著しく高まっているときに発表されます。迅速に命を守る行動が求められます。