センバツに向け、投球練習に励む(左から)加藤功海、氏家拓海、大槻匠一朗=27日、福井市角折町の金井学園室内練習場

 「うちは4人がエースですから」。大須賀康浩監督は投手陣について、昨秋の福井県大会からこう言い続けている。制球力に自信をみせる加藤功海、左腕の摺石達哉、身長183センチの長身から角度のある球を投げ込む大槻匠一朗、直球の威力がある氏家拓海のタイプの異なる4枚だ。

 4人の中でも、摺石は昨夏、左手親指を骨折した影響から県大会は振るわなかった。それでも、実戦感覚を戻すとテンポのいい投球と、キレのある直球、スライダーを軸に北信越大会初戦の上田西(長野)戦で好投手工藤陽平に投げ勝ち、公式戦初完投。決勝の高岡商(富山)戦も完投勝利を収め、結果を残した。

 明治神宮大会は、履正社(大阪)相手に完投。特に主軸を1安打に抑え「かなり自信になった」(摺石)と投手陣の中で頭一つ抜けたかたちだ。それでも、下位打線に一発を浴びるなど、勝負所や体力面で「まだまだ」と課題を残す。下半身強化に加え、投球の幅を広げるためにスクリュー系のボールの習得も視野に入れている。

  ■   ■   ■ 

 加藤、大槻、氏家も摺石の実力を認めながら「負けていられない」と闘志を燃やす。加藤は県大会チーム最多の21イニングを投げ、安定感を見せた。北信越大会の日本航空石川戦で苦い経験をしたものの、センバツを見越し寒い中でも体を作るアップの方法をトレーナーから学び、手応えを得ている。

 大槻は日本航空石川戦の八回に2死満塁のピンチで登板し、持ち前の“強心臓”を武器に無失点に抑えた。氏家は県大会期間中、外野を務めた影響からか「球速が伸びた」と実感。指揮官も「今、一番伸びている」と評価している。

 「全員で抑えられるのが一番」と4人は話すが「先発にこだわりたい」「エースとしてマウンドに」と互いに刺激し合い、切磋琢磨(せっさたくま)している。競争はセンバツぎりぎりまで続きそうだ。

  ■   ■   ■ 

 4投手をリードするのは、捕手大上真人。昨秋は幾度となくけん制や盗塁阻止でチームを救ってきた。身長160センチと小柄ながら、徹底してスローイングの練習を重ねた。

 捕手もレギュラー争いは激しい。昨年のセンバツで3安打を放った島谷元貴も右肘のけがから復帰し「取り返しに行く」と意気込んでいる。五十嵐凌矢も控える。

 強力打線が目立つチームだが、バッテリーの充実は欠かせない。投打がかみ合ってこそ、春41年ぶりの勝利が見えてくる。

関連記事