北信越地区大会で優勝を決め喜ぶ福井工大福井ナイン=2016年10月23日、長野県の松本市野球場

 昨年、秋季福井県大会3位で滑り込みで出場した北信越大会。福井工大福井は、まさに崖っぷちからの快進撃で41年ぶりに優勝し、春切符をつかみとった。

 「負けていても試合をひっくり返す力がある」。大須賀康浩監督はこうチームを評する。

 北信越大会は象徴的だった。「この試合が鍵だった」と指揮官が振り返ったのは初戦の上田西(長野)戦。1点を追う七回だった。無死一、二塁のピンチ。追加点を許したくないところで好プレーが飛び出した。

 次打者への初球。リードの大きかった二走を捉えた捕手大上真人が迷わず二塁へけん制。低い球が遊撃西村吏久人のグラブに収まり、タッチアウト。相手好機の芽を摘むとその裏に西村の逆転打で勝利。流れに乗った。

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 県大会準決勝で福井商業に敗れ、ナインは涙を流した。「絶対に明治神宮大会に行く」。敗戦が一人一人の勝利への意識を強くし、チームの結束力を高めた。

 それは準決勝の日本航空石川戦で表れた。最大6点のリードを逆転されたが「ひっくり返せる」。誰一人消極的にならなかった。

 逆転された八回、なおも2死満塁のピンチ。ここで登板した大槻匠一朗がぴしゃりと抑えた。その裏には、途中出場の近藤岳が勝ち越し打を放つなど「控えが充実していることが強み」と指揮官は話す。

 決勝も勢いそのままに高岡商業(富山)を圧倒。明治神宮大会出場を決めた。

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 初出場した明治神宮大会。初戦の準々決勝で、優勝した履正社(大阪)に3−4で惜敗した。大須賀監督は「全国の強豪と勝負になることが分かった。選手は自信になったと思う」。試合を重ねるたびに成長していったが課題も見えてきた。終盤に相手エースを攻め、得点圏に走者を運んだが「ここぞの場面で打ち切れなかった」(北川智也主将)。

 明治神宮大会出場という目標は達成した。今度は日本一へ—。この敗戦を糧に一回りも二回りも大きくなった姿が甲子園でみられるはずだ。

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 福井工大福井が2年連続のセンバツ出場を決めた。昨秋の県大会3位から切符をつかんだチームの強さに迫る。

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