第137回北信越地区高校野球福井県大会準々決勝・羽水―敦賀気比 敦賀気比を破り秋11年ぶりの4強に進んだ羽水ナイン=2016年9月24日、敦賀市総合運動公園野球場

 2016年の福井県の高校野球は、選抜高校野球大会(センバツ)に前回大会優勝の敦賀気比と北信越大会で準優勝した福井工大福井の県勢ダブル出場決定という華々しい幕開けだった。福井工大福井は今秋の北信越地区大会で優勝しており、来年度のセンバツでも勇姿が見られそう。県勢の数々の熱戦の中から、取材者の記憶に残る名勝負を振り返る。

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 「気持ちやぞ」。

 秋季福井県大会準々決勝・羽水−敦賀気比。九回裏、敦賀気比ベンチから叫びのような声がグラウンドに響いた。

 敦賀気比は、夏の福井県大会は初戦で敗退したものの、秋の大会はシードに推された。しかし、初戦、2回戦と圧倒的な強さが見られない。どこか歯車がかみ合っていないようだった。

 準々決勝の羽水戦も二、四回と得点圏に走者を進めたが後続が打ち取られた。羽水に2本の適時打で2点を許した五回、すぐに1点を返したが、六回表、適時打と守備の乱れで2点を奪われ試合の主導権をつかめず苦しんだ。

 1−4と3点差で迎えた九回、7番黒田響生の2点本塁打で1点差とし、なおも二死一、二塁の場面。「気持ちやぞ」と声を振り絞るナイン。同点、そして逆転サヨナラ勝ちへ期待が高まる敦賀気比スタンド。しかし、打球は二塁から一塁へ送られ試合終了となった。

 肩を落とす敦賀気比ナインに対し、1年生エース佐藤義視を中心に11年ぶり秋季ベスト4進出に沸く羽水ナイン。敦賀気比に初勝利し悲鳴のような声を上げ抱き合うスタンドの控え部員や父兄の姿が印象的だった。

 羽水をはじめ県立校勢が台頭している県内の高校野球界。2017年、まずはセンバツ出場が確実視される福井工大福井の活躍に期待したい。

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