10月7日14時16分に、種子島宇宙センターからH2Aロケット25号が打ち上げられ、搭載したGMS-8号(※1)を約27分後に放出しました。

その後調整を重ねて16日19時には東経140.7度、高度約36.000kmの軌道を周回し、地上からの静止が確認されました。

今後は機能確認試験等を進め、来年夏頃より現行のMTSAT-2号(※2)から観測運用を引き継ぐ予定になっています。

(※1)GMS
Geostationary Meteorological Satellitesの英語略称で静止気象衛星。日本のは「ひまわり」の愛称がついています。

(※2)MTSAT
Multi-functional Transport Satelliteの英語略称で航空管制と気象観測の両機能を備えた静止衛星。MTSAT-2の愛称は「ひまわり7号」。

GMS-8号は7号に比べて水平分解能が倍増(現在は1km以上のものしか分からなかったのが、500m以上のものが分かるようになります)。また観測時間も30分毎が10分毎と短くなり、日本付近は2.5分毎で、リアルタイムのように現象が把握できるようになります。
気象変化を早く把握して災害の軽減に寄与できるよう期待されています。

世界最初の気象衛星は米国が1960年に打ち上げたタイロス1号でした。タイロス1号は可視光カメラを搭載して、撮影した画像を地上に送り各種の有益なデータをもたらしました。

日本のGMS(静止気象衛星)Ⅰ号は37年前の1977年にアメリカフロリダ州のケネディー宇宙センターから打ち上げらました。

これまでは地上と気球を使っての観測でしたが、新たに宇宙から地球を観測する画期的な方法がとりいれられ予報精度が格段と向上しました。

GMS-2号以降は種子島宇宙センターから打ち上げられています。GMS-5号の後継機として、1999年11月にH2ロケット8号機で「MTSAT」を打ち上げましたが、ロケットの故障で制御不能となり爆破して太平洋に落下しました。

2005年にMTSAT-1Rを、2006年にMTSAT-2(ひまわり7号)を打ち上げて現在に至っています。(表1参照 質量は物体が有する物質の分量で、重量は物体に働く重力の大きさ宇宙では重量はない)

GMS-5までは姿勢安定はスピン(※3)方式でした。MTSATは全長がGMSより10倍になっています。これは衛星の姿勢を安定させるため、太陽風を利用するソーラーセイルを用いた三軸姿勢制御方式で、大きな帆を広げるのと、そのバランスを取るための腕を伸ばすので長くなりました。

(※3)スピン方式
コマに回転を与えると安定して回転するように、衛星本体を進行方向を軸として回転させ、軌道からずれないようにする方式。観測カメラも回転を利用して地球を写す。この方式はカメラが地球方向にむいた時しか情報を取れないので観測できる時間は少ない。

静止衛星は地球の自転の周期と同じ周期で公転していることから、地上からは空の一点に止まって見えますが、赤道上空36.000kmの軌道を秒速約3kmで周っています。私たちも地上で止まっている人は宇宙から見ると秒速約420mで動いていることになります。

衛星は姿勢制御の為噴射燃料を使います。燃料を使い切ると機能しなくなるので軌道外に廃棄されます。

寿命は燃料次第ですが約10年位です。寿命が尽きるまでは予備機として現用機より離れた所で待機しています。

世界気象衛星観測網は静止衛星が赤道上空経度約70度ごとに配置されています。また高度850kmから1,200km上空を南北に飛行する極軌道気象衛星は、米国のNOAA-19と中国のFY-1D、FY-3Aならびに欧州のMetop-Aです。気象庁はNOAA-19の画像を受信しており、台風などの鮮明な雲の画像を取得しています。。

福井県の10月の気象の特徴は6日と13日にまとまって降水があり月降水量は平年よりも多くなりました(表2)。気温はほぼ平年並みでした(表3)。一方日照時間は平年よりも多く、雨の日と晴れの日がはっきりした月でした。